IDC Japanは8月6日、国内構造化データ管理ソフトウェア(Structured Data Management Software:SDMS)市場の予測を発表した。2011年の同市場規模は前年比1.5%増の2067億7700万円となり、2012年は前年比3.0%増を予測している。
2011年の同市場規模の内訳を見ると、約8割を占めるリレーショナルデータベース管理ソフトウェア(RDBMS)が前年比2.2%増の1630億6200万円となっている。東日本大震災の影響から全般的に投資抑制傾向が強く、特に国公立大学や研究機関では、仕訳対象となり、RDBMSの採用が延期になるなど影響を受け、市場が縮小している。同様に電力関連や大企業の製造業も投資抑制傾向が顕著となっている。
だが、データセンターや通信キャリア、ネット通販、ソーシャルゲームなどの分野ではインフラ増強に伴うRDBMS支出が拡大している。中堅企業を中心にデータウェアハウスの構築機運が高まり、中堅市場も堅調に推移している。
2011年の同市場で前年からの成長率が高かったのがデータ統合/アクセスソフトウェア市場の6.1%、市場規模は159億2700万円。同市場は、大企業のデータベース統合や大規模データウェアハウス構築案件が好調だった。中堅中小企業向けもデータウェアハウス構築機運の高まりで好調に推移している。
2012年のSDMS市場は、前年比3.0%増の2129億9500万円と予測している。その中でもデータ統合/アクセスソフトウェアは2011年に引き続き好調に推移して、前年比4.6%増と、SDMS市場全体の成長率を上回る伸びを示すと予測している。2011~2016年のSDMS市場の年平均成長率が3.2%で推移して、2016年には2425億3700万円と予測している。
IDC Japanの赤城知子氏(ソフトウェア&セキュリティグループマネージャー)は「ビッグデータの活用が注目される中、国内SDMS市場は大量データの高速処理、クラウド技術の採用とサービスの利用、分散高速処理など採用形態が多様化し、適材適所で利用されるようになる」と説明。その上で「多様なソリューションが競争力を左右する中でベンダー間の合従連衡や企業買収、オープンソースソフトウェアのエコシステムによる多角的なポートフォリオの実現の動きが仮想するだろう」と予測している。