東京スター銀、マーケティング用顧客DBをDWHアプライアンスで構築

田中好伸 (編集部)

2012-08-07 12:27

 東京スター銀行は、マーケティング用顧客データベース「MCIF(Marketing Customer Information File)」システムを新たにTeradata製品で構築する。日本テラデータが8月7日に発表した。

 東京スター銀行は、既存の顧客情報管理(CRM)システムを刷新するのを契機に、新しくMCIFシステムを構築して、顧客情報を活用した商品開発やマーケティング活動を強化することを決めている。

 新MCIFシステムは、データウェアハウスアプライアンス「Teradata Data Warehouse Appliance 2690」2ノードとテラデータの汎用検索ツール「AccessNavigator Web」で構築される。2013年1月からの稼働を予定している。

 本部と31の店舗で、個人顧客向けのマーケティングや営業を担当するリテール部門での利用を予定している。金融商品の販売実績や購入者の分析を通じて、外貨預金や住宅ローンなどの個人向け新商品の開発と、ダイレクトメールやコールセンター、店舗での営業活動といった顧客アプローチに生かしていく。データを活用することで、各顧客のニーズにあった商品の開発や提案ができるようになり、新商品の開発のスピードアップを目指すとともに、より的確なターゲティングに基づいた顧客サービスの充実を実現すると説明する。

 新MCIFシステムでは、テラデータ独自の金融機関向けの論理データモデル(Logical Data Model:LDM)をベースに、銀行業務にあった形でデータの内容や関連性を論理的に記述して格納する。例えば物理的に同じテーブルで管理されていない複数の口座を持つ個人や世帯をまとめて把握できる。これで重複を回避し、一貫性のあるマーケティングを展開できるとメリットを強調している。

 LDMは、データウェアハウス内のデータについて、どこにどのように格納するかを業界ごとの特徴にあわせて論理的に記述したもの。データベースの設計図であり、青写真でもあり、データウェアハウスの全体像を把握できるとともに、データ間の関係を理解できるという。LDMによって、データの重複を回避し、データ間の整合性と一貫性を保ち、将来的なデータ構造の追加、変更があっても、修正を最小限に抑えられると説明する。

 今回のシステムでは、テラデータのノウハウをもとに銀行のマーケティングで一般的に利用されている、さまざまなデータ分析機能をテンプレート化して提供する予定としている。同行では、新MCIFシステム稼働後、利用する部署を法人部門にも拡大し、法人顧客向けの商品開発や営業活動にも活用できるようシステムを拡張していく方針という。

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