IFA 2012が開催されたメッセ・ベルリンにサムスンの旗がなびく
ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリンにおいて、2012年8月31日から開催されていた「IFA(国際コンシューマエレクトロニクス展)2012」が9月5日、閉幕した。
主催者側の発表によると、期間中の来場者数は24万人に達し、そのうちトレードビジターは14万2300人と、前年の13万2900人から7%増加。ドイツ国外からの来場者数は4万2800人と、前年の3万8569人から11%の増加となった。
14万2200平方メートルの展示面積に、デジタル家電やPC、白物家電製品などのメーカーをはじめとして世界各国から1439社が出展。会期中の受注総額は38億ユーロを超えたものと見込まれている。
主催者によると、出展者数はほぼ前年並みとなったものの、それ以外の実績はいずれも過去最高になったようだ。
今回の展示で目立ったのは、テレビでは4Kディスプレイ。PCではWindows 8の発売を10月26日に控えていることもあり、Windows 8を動作させたタッチ機能搭載モデルやスレートPCの展示が相次いだ。
4Kテレビでは、2011年12月に世界初となる4Kテレビを商品化した東芝が、同社独自の新4K画質処理エンジン「レグザエンジンCEVO 4K(仮称)」を搭載した84v型4Kテレビを展示。4K出力対応のダイナブックを2013年度にも商品化することを発表した。
また、ソニーは「4K X-Reality PRO」を搭載した2万5000ユーロ(約250万円)の4Kテレビを年内に発売すると発表。シャープも、ICC技術を採用した60型の4Kテレビを展示して、年内の発売に向けて技術が順調に進化していることを示した。
一方、PC関連では、スレート型とノート型の両方のスタイルで利用できる製品が相次いで発表された。サーフスライダー方式によりディスプレイ部をスライドさせるソニーの「VAIO Duo 11」のほか、東芝もスライド方式を採用した「Satelite U920t」を展示。そのほか、サムスン電子の「ATIV Smart PC」やデルの「XPS 10」、台湾エイサーの「ICONIA W510」のようにディスプレイ部を着脱する方式のノートPCも展示されていた。
また、ソニーの「VAIO Tap 20」やデルの「XPS One 27」、レノボの「IdeaCentre A520」のように、大型ディスプレイを搭載したオールインワンPCの展示も目立っていた。10指タッチ機能の搭載もこれらの製品の特徴だ。
Windows 8時代を直前に控えて、タッチ機能を搭載したPCが一気に増加することを感じる各社の展示だったといえよう。
スマートフォン関連では、サムスンの「GALAXY Note II」の発表が注目を集めた。開催直前にベルリン市内の会場で行われた発表会見には約2000人が参加。発表時には大きな歓声があがるという盛り上がりぶりだった。
同社はさらに、通信機能を搭載した「GALAXY Camera」や、Windows Phone 8を搭載した「ATIV S」を発表して話題を集めた。
白物家電関連では、欧州市場での事業拡大を目論むパナソニックが、同社として初めて白物家電をIFAに出展した。また、サムスンやハイアールが白物家電の展示に力を注ぎ、欧州市場で高いシェアを持つボッシュ、シーメンス、ミーレ、エレクトロラックス、フィリップスといった企業に対して、対抗意識を前面に打ち出していたのが印象的だった。
一方、セイコーエプソンの碓井稔社長が開催初日の基調講演に登場。「Becoming Indispensable in a changing world(変化し続ける世界の中で、なくてはならない存在になるために)」と題して講演。日本のモノづくりへのこだわりや、セイコーエプソンの匠の技術による製品開発、生産への取り組みなどについて訴えた。
おとなしさ感じる日本の電機メーカー
今回のIFA 2012を通じて感じたのは韓国勢のパワーだ。