本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今週は、日本マイクロソフトのマイケル・ビール執行役と、富士通研究所の主管研究員、司波章氏の発言を紹介する。(ZDNet Japan編集部)
「長らく続いてきたクライアント/サーバ時代はWindows NTが切り開いた。これからのクラウド時代はWindows Server 2012が切り開く」 (日本マイクロソフト マイケル・ビール 執行役)
日本マイクロソフトが9月5日、サーバOSの最新版「Windows Server 2012」を発表した。ビール氏の発言は、その発表会見で、マーケティング&オペレーションズ ゼネラルマネージャーとして同製品にかける意気込みを語ったものだ。
ビール氏によると、マイクロソフトにとって今年7月から始まった新年度は、Windows Server 2012やクライアントOSの最新版「Windows 8」、オフィスアプリケーションの最新版である次期Officeといった主力製品をはじめ、過去最大規模数の新製品を投入する予定で、「まさに新時代の幕開け」だという。
日本マイクロソフト マイケル・ビール 執行役
Windows Server 2012は、企業内システムからプライベートクラウド、パブリッククラウドまで対応し、企業内の小規模なサーバから大規模なクラウド環境まで幅広い用途に活用できるサーバOSである。
会見の詳しい内容についてはすでに報道されているので、関連記事等をご覧いただくとして、つまりは本格的なクラウド対応機能を備えたサーバOSということだ。
これをしてビール氏は、Windows Server 2012を「新しいクラウドOS」と呼び、国内仮想化市場でトップシェアを獲得したことやクラウドリーダーとしてのポジションを確立したことをアピールするとともに、マーケティングやプロモーションに過去最大の投資を行っていくことを明言。冒頭の発言はこうした話の流れの中で出てきたものだ。
ちなみにビール氏が率いるマーケティング&オペレーションズ部門は、サーバープラットフォームビジネス本部、Officeビジネス本部、Windows本部、セントラルマーケティング本部、エンタープライズマーケティング本部、プラットフォーム戦略本部、ビジネスプランニンググループからなる、同社でも中核部隊の1つである。
昨年9月に執行役として同部門のゼネラルマネージャーに就任したビール氏は、2004年に米国本社へ入社してマーケティングディレクターを務め、2008年からはマイクロソフト韓国でビジネス&マーケティングオフィサーを歴任。米国本社へ入社する前も含めて、マーケティング一筋ともいえる経歴の持ち主だ。