電子メールのサポート
当然のことながらWindows Phone 8では、「Outlook Mobile Service」を通じた電子メール関係のさまざまな機能(ウェブベースでのサービスや「Exchange」を含む)がサポートされている。単一の受信トレイでメールを受け取るというオプションも提供されており、アカウント単位でのフィルタリングも可能だ。
Warren氏は「『Outlook』の標準的なメールボックスが用意されており、スレッド単位でやり取りを表示でき、Outlookのデータすべてにアクセスできるようになっている」と述べるとともに「バックエンドで『Microsoft Exchange Server 2010』を稼働させておけば、256ビットSSLや『Information Rights Management』(IRM)など、実質的にすべてのサービスを利用できる」と述べている。
同期処理のバックエンドにはMicrosoftの「SkyDrive」サービス(これも改良が施されている)が使用されており、Windows Phone 8携帯上のドキュメントや画像などのファイルを自動的にバックアップするようになっている。
暗号化
また、Warren氏は米ZDNetに対して、Windows Phone 8上の企業データは、内部ストレージ全体を暗号化することで完全に保護できるようになっていると述べている。ただし、消費者の要求とBYODへの要求を両立させるために、MicrosoftはmicroSDストレージの暗号化を行わないという意思決定を行い、他のデバイスでもリムーバブルストレージ(およびそこに保存されたデータ)を利用できるようにしている。
Warren氏は「SDカードはWindowsで読み込めるようになっているため、携帯電話から取り出してPCに挿入するだけで読めるようになっている。つまり、われわれの答えは、SDカードを暗号化しないというものだ。これは苦渋の選択だったが、2つの理由からそう決断するに至った」と述べている。
同氏は「まず、われわれは(SDカードを)Windowsで読み込めるようにしたかった。次に、われわれはハードウェアベースでの暗号化を採用しているため、鍵の管理には携帯電話に搭載したTrusted Platform Module(TPM)チップを使用することになる。つまり、カードを取り出してしまうと、鍵にアクセスできなくなるというわけだ。これでは、そのメディアが読み込めなくなってしまう」と述べている。
これによって外部ストレージに保存されるデータすべてのセキュリティに疑問が生じるのは明らかだが、そのためカードに保存できるデータは楽曲や動画、写真、電子書籍に限られているとWarren氏は付け加えた。取り扱いに注意を要する仕事上のドキュメントといった他の種類のファイルは、拡張ストレージに保存できないようになっている。
Warren氏は「われわれはSDカード上に格納できるデータのタイプを限定している。そして、その確認には拡張子ではなくヘッダ情報を用いているため、ごまかすことはできない。つまり、ここでの狙いはまず読み込み可能にすること、そして個人のコンテンツと仕事のコンテンツを分離することである。このため、モバイル機器管理システムによって携帯電話を管理しており、内部ストレージのリモートワイプを行った場合でも、個人のコンテンツは消去されない」と述べている。