CSのグローバル展開とスーパーDBとの統合
「我々が提供するのは自動販売機ではなく、人間味、温かみのあるサービスだ」と開沼氏
今後の展開としては、全社的に利用するツールにしてグローバル展開を支えること、また、顧客データベースと統合し、会員のさらなるロイヤルティ向上につなげることを挙げる。
グローバル展開については、三木谷社長が第3四半期の決算で、kobo事業、楽天市場事業、物流の3つを戦略領域として掲げており、海外でのCSの重要度が増していくことが考えられる。これまでもヘルプページにおいて、英語、中国語繁体、中国語簡体、韓国語に対応し、各言語における問い合わせの削減やナレッジの共有化を進めてきた。今後はさらに対応言語を増やしながら、各国においてサポートツールをどう一元化していくかなどを検討するという。
また、顧客データベースというのは、各事業を横串にした「楽天スーパーDB」と呼ばれるデータウェアハウス(DWH)との統合だ。
同社はこの楽天スーパーDBで、会員属性、サービスの利用状況、クーポン取得状況、購買履歴などを分析して、顧客ごとにパーソナライズされた情報を提供して、顧客満足度の向上を図っている。CSの基盤であるヘルプシステムをDWHと統合し、例えば、顧客からの問い合わせ時に、会員の属性やステータスなどの詳細データを見ながら顧客対応を行ったりする。もっとも、そのためには「個人情報管理をはじめとしたセキュリティを最優先する必要がある」(同氏)ため、どのような仕組みが最適かを検討している段階だ。
「三木谷が朝会などでよく言うのは、我々が提供するのは自動販売機ではなく、人間味、温かみのあるサービスだということです。買い物を効率化すればいいのではなく、ショッピングをエンターテインメントとして楽しんでもらう。顧客の満足もそこにあると思っています。カスタマーサポートを通して楽天で買い物をすることが好きになってもらう——そんな楽天ファンを増やすことが我々の仕事だと思っています」(同氏)
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