Windows 8は後出しジャンケンのメリットを最大限活かす:MS樋口社長

大河原克行

2013-03-05 13:15

 富士ソフトは3月4日、Windows 8に対応するサービス「moreNOTE(モアノート)」の販売を開始した。同日、同社アキバプラザでmoreNOTEの活用セミナーを開催した。

 富士ソフトの代表取締役社長執行役員である坂下智保氏は「2012年は法人向けタブレットの普及期、2013年は年間80万台規模が想定され、拡大期に入る」と説明する。


富士ソフト代表取締役社長執行役員の坂下智保氏

 「だが、まだビジネスシーンでのタブレット利用はメールやウェブが中心となっており、より効果的な利用をしたいという声がある。セキュリティなどの不安もある。そうした課題を解決するといった点で、Windows 8は法人向けタブレットの本命の登場であり、ビジネスシーンにおける最強デバイスになる。BtoBに新たな価値を提供したい」(坂下氏)

 moreNOTEは、ビジネス利用に最適化したスマートドキュメントサービスであり、ドキュメントや動画、画像などを3つのステップだけでアップロードできるのが特徴としている。オンプレミス環境とクラウド環境で一元管理し、認証、暗号化、遠隔消去などでセキュアな環境でWindows 8搭載PCやタブレットから各種情報を閲覧でき、BYOD導入にも対応した管理性の高さを実現していると説明する。

 2012年7月からiOS対応のクラウド版とオンプレミス版を提供。同年12月からは、ポインターやペンツール機能、ペアリング機能などを搭載したiOS対応のmoreNOTE Ver2.0を発売しており、これまでに100社を超える企業が導入しているという。

 moreNOTEに製品カタログや動画を入れておけば、営業担当者が販売促進ツールとして利用でき、手元に印刷した資料がない商材の提案の場合でも、ネットワークを通じてすぐに関連情報を取り出せられる。ペアリング機能でスマートフォンやタブレットで情報を共有して、ペーパーレス会議やプレゼンテーション利用が可能になる。

 同社では「ペーパーレス化で資料印刷、製本、配布といった作業を軽減でき、業務効率化やコスト削減が可能になる。必要な資料を最新の状態でリアルタイムに利用できるため、営業力向上や提案力向上にもつながる」とその優位性を強調している。

 富士ソフトでは、2012年6月に開催した株主総会での議決権行使にiPadを利用。社内でもスマートフォンやタブレットの活用を進めながら、moreNOTEを検証しており、そこで得たノウハウも機能強化に活用しているという。

 同社は「Windows 8版moreNOTEを発売することで、Windowsユーザーへの利用拡大を図るとともに、Windows 8タブレットとiPadとの混在環境でのペアリング機能でiOS版のmoreNOTEユーザーに対しても利便性向上を提供できる」としている。

 価格は、クラウド版が初期費用3万6000円から、30IDまでで1ライセンスあたり1200円。オンプレミス版が100IDを上限としたベーシックプランが120万円、保守費が年間30万円となっている。

 同社は、2015年までに1000社への導入を見込んでいたが、今回のWindows 8版の発売にあわせて販売計画を上方修正。2013年度中に1000社への導入を見込む。

 3月4日に開催されたmoreNOTE活用セミナーでは、日本マイクロソフトの代表執行役社長である樋口泰行氏が「Windows 8とクラウドが変える企業ITと新しい働き方」をテーマに基調講演を行っている。


日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏

 樋口氏は「タブレットは、タッチ操作やアプリの利用で情報閲覧に適したデバイス。PCは、1秒でも速く創造物を作りたい、生産性の高い作業をしたいという場合に、マウスやキーボードによる操作ができること、Officeが使えるという点でメリットがある。Windows 8は、この双方を実現しているものである」とメリットを説明。さらに「暗号化技術などのエンタープライズレベルのセキュリティ、既存システムとの連携をはじめとする管理に対しても強みがあり、企業システムとの高い親和性がある」と優位性を語っている。

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