中村氏はUDAは「まだ完成型ではない」と言及、「今後数年で拡張していく」と説明している。
先に挙げたようにテラデータは長い間、構造化されたデータを分析の対象にしていた。そこにビッグデータの到来である。

中村博氏
ビッグデータはテキストやSNSユーザーの声、音声や画像、そしてウェブ上での行動ログ、マシンから流れるログなども含まれる。こうした非構造化データから、有益な情報をどのように見つけ出すのか? それに対する解決策として浮上したのが、分散並列処理フレームワークのHadoopと言える。
その結果として現在は、構造化データの分析と非構造化データの分析は、システムとして分断されているというのが実情というところになるだろう。「ビッグデータの解決策=Hadoop」とする向きもあるが、あくまでもHadoopはフレームワークであり、実際に非構造化データを分析するには、ユーザー企業自らが何をどうすればいいのかを考え、手を動かす必要があり、誰でも使いこなせるというものでもない。技術力も必要になる。
そうした状況を見据えて、テラデータが打った手がAsterの買収と表現できる。Asterには、SQL文でMapReduceの反復的に並列処理を行えるというメリットがある。
テラデータがAsterをどのように位置付けるのか、これまで不透明なところがあったが、今回のUDAは、テラデータの技術体系の中にAsterを位置付けたとも指摘できる。テラデータの既存のユーザー企業に向けて「非構造化データにも対応していく」という意思表明でもある。
中村氏の「完成型ではなく、UDAは今後も拡張していく」という言葉から見えるのは、UDAがテラデータにとってビッグデータを分析するための“骨組み”になるということだ。今後、ユーザー企業に必要とされる、さまざまな技術が加わることで、UDAが進化していくと予想できる。