Apple iCloud
Appleの「iCloud」には5Gバイトの無料ストレージが付いているが、このサービスはストレージだけのサービスではない。iTunesストアで購入した音楽、アプリ、書籍、テレビ番組や、自分のフォトストリームなどをここに保存して、そこからストリーミングすることができる上、購入したメディアは使用した容量にカウントされない。
iCloudは「iTunes Match」とも協調して動作する。iTunesに組み込まれているiTunes Match(編集部注:日本では未提供)は、どこで音楽を入手したかに関わらず、自分の持っているすべての音楽ファイルを、年24ドル99セントで保管してくれる。Appleから購入したのではない音楽でさえ、ストレージの使用上限に達しているかを計算する上での使用容量にはカウントされない。
また、AppleのiCloudは、単なるストレージ兼オンライン音楽サーバとして使えるだけでなく、Appleの無線サービスでもある。これには、連絡先の同期、独自の電子メールサービス、モバイルデバイスのバックアップ、位置情報サービスも含まれる。
これは素晴らしいものに聞こえるかもしれないが、かなり分かりにくいものであるのも確かだ。MacNewsWorldのChris Maxcer氏のような熱心なファンでさえ、iCloudがすべてのデバイスのファイルを、読み出し・書き出し可のアクセス許可で常に同期しているために、何がクラウド上にあって何がないのか分からなくなり、「iPhoneを道路に投げ出し」て、車で踏みつぶしたくなると感じたことがあるという。私は彼の苦しみが分かる。
基本的なiCloudのサービスは、どのプラットフォームからでもウェブから利用できる。しかし、その能力をフル活用するには、「Lion」以降を搭載したMacか、「iOS 5」以降の「iPad」「iPhone」「iPod touch」のいずれかが必要だ。また、最新バージョンのiTunesを使えば、Windowsでもそれなりに使える。ただし、「Snow Leopard」以前のMacを使っている人は、残念ながら使用できない。
追加ストレージは、10Gバイトで年20ドル、20Gバイトで年40ドル、50Gバイトで年100ドルだ。
残念ながら、私はiCloudを気に入ることはできなかった。AppleはMac OS XとiOSにiCloudを統合したが、ファイルの管理が非常に混乱する場合がある。Appleが行ったクラウドとローカルデバイスの統合は、完璧からはほど遠い。Appleがうまくやっていれば、iCloudはAppleファンのキラーアプリになっていたはずだが、それにはほど遠いというのが現状だ。
Box
このサービスは、ストレージサービスというよりは、どちらかと言えばビジネスでのコラボレーションとワークフローのためのソリューションだ。それが求めているものであれば、検討する価値はあるだろう。例えば、ビジネス版の「Box」にはさまざまなファイルに対して誰がそれを見ることができて、誰が編集できるのかを指定できる、しっかりしたアクセス許可のオプションが付いている。
それに加え、ビジネス版のBoxでは、Boxのクラウドストレージやサービスに統合されている、さまざまな作業プログラムが利用できる。これには、「Box OneCloud」や、モバイルを利用したワークフローを改善する「Online Workspaces」が含まれる。また、さまざまなビジネス向けのアプリもある。