不思議なのは、ストレージを追加する場合、Megaから直接購入することはできないということだ。ストレージ容量を増やしたい場合は、Megaの代理店を通さなくてはならない。その場合の価格は、500Gバイトのストレージに対して月10ユーロからになっている。2013年2月時点では、北米にはMegaの代理店は存在しないようだ。
うますぎる話は疑ってかかるべきだというのは、本当だ。Megaの約束する話は、本当であるにはうますぎる。このサービスを選ぶべきではない。そのうちにKim Dotcom氏がこのサービスを正常化するのだろうが、今はまだ実現していない。
Microsoft SkyDrive
大抵のクラウドサービスと同じで、「SkyDrive」でもファイルの保存、共有、アクセスが可能だが、ほとんどのOSでは、これらの機能をブラウザから利用する必要がある。IEが想定されているのだろうが、他のブラウザでも使用できる。ただし、SkyDriveはWindows 8のファイルマネージャと相性がいい。また、Microsoft Officeとの連携もしっかりしている。Google Driveと同じように、SkyDriveには、自社のクラウドベースのオフィスソフトウェアである「Office Web Apps」が付いてくる。
SkyDriveには、私が気に入らない機能もある。自分のアカウントに紐付けられているあらゆるPCからファイルを取り出し、リモート操作でクラウド上に置くことができるのだ。これは、PowerPointのプレゼンテーションを家に忘れてきた、というような場合には素晴らしい機能だろう。しかし、誰かが自分のMicrosoftアカウントのログイン情報と、SkyDriveの2要素認証に使われている携帯電話を入手し、Quickenの財務ファイルを手に入れようと考えれば、それほど素晴らしい機能とは言えない。この機能はオフにすることもできるが、デフォルトの状態では有効になっている。私には、この機能は潜在的なセキュリティホールに見える。
よい点を挙げると、SkyDriveは7Gバイトの無料ストレージを提供しており、これは他の多くのサービスよりも多い。年10ドルで10Gバイト追加することもできる。50Gバイトで年たったの25ドル、100Gバイトでは年50ドルだ。SkyDriveの料金はかなり安いが、最近Microsoftのビジネスクラウドサービス「Azure」で、クラウドストレージの大規模な障害が発生したことを指摘しておくべきだろう。
Windowsユーザーには、SkyDriveが最適のクラウドストレージソリューションになるかもしれない。価格は申し分ないし、「Windows 8」との相性は素晴らしく、「Windows Phone」でネイティブに動作するのはSkyDriveとBoxだけだ。ただし、PCからリモートでファイルをダウンロードする機能の使用についてだけは、気をつけた方がいいだろう。
SpiderOak
クラウドストレージにプライバシーが欲しいという人もいるだろう。Megaもプライバシーを約束しているが、私はプライバシーが欲しいなら「SpiderOak」を選んだ方がよさそうだと感じている。SpiderOakは、サーバ側ではユーザーが何を保存しているのかまったく知ることがない。クライアントソフトウェア(デスクトップではLinux、Windows、Mac OS X、モバイルOSではAndroidとiOSをサポートしている)で、SpiderOakのサーバに送る前にあらゆるものを暗号化するためだ。ただし、パスワードだけはしっかり管理する必要がある。SpiderOakの運営会社でさえ、パスワードを紛失したユーザーを助けることはできない。
SpiderOakは主にビジネス利用を想定しているが、2Gバイトの無料ストレージを利用することもでき、100Gバイトあたり月10ドルという、手頃な個人向けプランも用意されている。企業向けのサービスは、1テラバイトで月600ドルからだ。私が気付いた欠点の1つは、ファイルのダウンロードやアップロードが他のサービスよりも若干遅いことだ。しかし、Megaに比べればまったく問題はない。