シトリックス・システムズ・ジャパンは4月15日、モバイル端末管理システム(MDM)「XenMobile MDM」とアプリケーション管理ツール「Citrix CloudGateway」を使った、エンタープライズモビリティ管理ソリューションを公開した。
同社はモバイルへの対応を強化することを2013年の強化ポイントとしている。今回公開したXenMobile MDMは、1月に買収したZenpriseの製品。これにシトリックスが以前から提供しているアプリケーション管理ツールのCloudGatewayを使うことで、あらゆる種類のアプリケーションやデータ、デバイスを企業が利用する場合、より安全に、簡単に利便性の高い利用を実現することになる。
的場謙一郎氏
両方を同時に利用するだけでなく、個々に利用することも可能で、「BYOD(私物端末の業務利用)の場合、デバイスの管理は各ユーザーに任せ、企業側はアプリケーションのみを管理するといった使い方や、デバイスを会社から提供している場合はXenMobile MDMのみを提供して管理するといった使い分けが可能。さらに将来的には両方の機能を統合していくことを視野に入れている」(同社 事業開発本部プロダクトマーケティング部 シニアプロダクトマーケティングマネージャー 的場謙一郎氏)としている。
発表会では、シトリックスが注力するモバイル対応の一環として行われた。「企業がモバイルデバイスをより簡単に、より安全に利用するためのソリューションとなる」(的場氏)
XenMobile MDMは、企業のポリシーに従ってデバイスを構成し、万が一、デバイスを紛失、盗難する事態にあっても情報漏洩を防ぐことができるセーフティーネットとなる。
主な機能としては、企業がモバイルデバイスを利用する際のライフサイクル全般でデバイスを管理できる。デバイスの構成、プロビジョニング、セキュリティ、サポート、監視、使用中止と、デバイス使用開始段階から、使用を終えるまでを管理する。
CloudGatewayは、シトリックスが従来から提供しているソリューションで、モバイルデバイス利用時の生産性の向上、企業のID管理を集約する機能を実現した。すでに利用されているものも含め、次のような機能を提供している。
(1)MDX Vault:個人で利用するアプリケーションやデータと、業務で利用するアプリケーションやデータを分離し、業務で利用するアプリやデータをラッピングしてコンテナ機能を提供。クッキー、キャッシュを含むデータを暗号化し、コンテナ外の悪意のあるアプリケーションが情報を盗み見するといったトラブルを防ぐ
(2)MDX Access:アプリケーションごとに利用条件に応じた、きめ細かいポリシーを適用する。アプリケーションごとにVPNアクセスが可能なマイクロVPNに対応する
(3)MDX Interrapp:セキュアな環境でアプリケーション間をシームレスに連携する。iPhoneを利用している場合でも、Safariではなく「@WorkWeb」、標準のメーラーではなく「@WorkMail」を使うことで、ポリシーとしては禁止しているアプリ間のカット&ペーストなどをセキュアな環境として許可する
(4)アプリケーション単位でカメラの利用禁止、別アプリで開くことを禁止といった細かい設定が可能に
(5)あらゆるアプリケーション、30億以上のデバイスで利用可能な統合アプリストアの提供
(6)Active Directoryとの同期でユーザーにシンプルなアクセス体験、ITにシンプルなプロビジョニング体験を実現するID連携とシングルサインオンの実現
公開されたデモンストレーションでは、社内で利用するアプリケーションをコンテナ内で利用することで安全に、ActiveDirectoryとの同期、iPadからMicrosoft Officeを利用といった内容が紹介された。