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あらゆる分野に浸透しつつあるオープンソース

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2013-05-08 07:30

 純粋なソフトウェア開発の世界で、オープンソースが重要なツールになっていることはよく知られている。米国時間4月17日に公表されたBlack Duck SoftwareとNorth Bridge Venture Partnersのオープンソースに関する調査や、Linux Foundationが開催したLinux Collaboration Summitでのイベントでさらに明らかになりつつあるのは、今ではオープンソースが、企業のネットワーク、スマートカー、学問の世界などを改善するのに役立てられているということだ。

 例えば前述のサミットでは、Linux Foundationが、SDN(Software Defined Netwroking)をオープンソースで実現するOpenDaylightプロジェクトに、Big SwitchやCisco、Juniperなどの不倶戴天の敵を引き込むことに成功したことがわかった。これは、SDNのコアであるOpenFlowプロトコルを実装する共通の方法を見つけようという単なるリップサービスではなく、メンバーは何千万ドルもの資源をつぎ込んで、非メンバーを含む誰もがオープンに共有できるコードを作ることになる。

 なぜ彼らはこんなことをしているのだろうか。Linux FoundationのエグゼクティブディレクターであるJim Zemlin氏によれば、OpenDaylightのメンバーは「1つの組織ではプロセスを支配できないレベルの活動の場を共有することができる。彼らは、オープンソースのガバナンスによるオープンソースの手法で協調することによって、市場での競争を続けながら、さらに多くのものを得ることができることを理解している」という。

 同じことが、自動車業界にも言える。Jaguar Land Rover infotainment systemsのシニアテクニカルスペシャリストであるMatt Jones氏は、同サミットで、Jaguar Land Roverとトヨタのようなライバル会社でも、共通のOSとAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)の作成に共同で取り組むことで、OSのインフラを気にせずにアプリケーションの提供に集中することができると述べている。「載っているOSで買う車を決めたことがある人などいるだろうか?」と、Jones氏は問いかけた。


Linuxやオープンソースソフトウェアは現在、あらゆる業界と「デバイス」に存在している。Linuxを搭載したこのLand Roverもその1つだ。
提供:The Linux Foundation

 このサミット以外では、最近公表された、オープンソースに詳しいビジネスプロフェッショナル800人以上を対象とした調査報告で、この人々が今後2年から3年でもっとも重要なトレンドは何だと考えているかが明らかになった。デスクトップ?クラウド?Microsoft?実はまったく違う。最も多くの人が選んだのは、学問の世界での、オープンソースの知識と文化の成長だった。

 その理由は簡単だ。Linuxとオープンソースは、人材を必要とするからだ。最近公表されたLinux Jobs Surveyの調査結果によれば、株式会社や中小企業、政府、人材派遣会社などがLinuxのプロフェッショナルを欲しがっている。そして、欲しがり始めたのはほんの最近だ。Jon Corbet氏は、サミットで行った「Linux天気予報」のプレゼンテーションで、独立しているLinuxカーネル開発者はわずか10%程度であり、彼らが自分たちのLinuxプログラミングを支援してくれる会社で働いていないのは、単にそうしたくないからだと述べいる。「Linuxカーネルのコードが書ければ、いつでも仕事に就くことができる」と、同氏は言う。

 このトレンドによって起こっていることの1つに、企業がOSSコミュニティとの積極的な協調活動に前向きになっているということがある。企業がそうなっている第1の理由はIT経費の削減だが、現在の2番目の理由は、よい開発者やITスタッフを惹き付けることだ。会社がOSSを積極的に支援していれば、それだけトップレベルの技術者を惹き付け、維持するのも簡単になるという理屈だ。

 他の重要なトレンドには、次のようなものがある。OSSの非技術分野への導入、86.3%。企業内へのOSS開発手法の導入。消費者によるOSSの認識の増加、71.9%。業界ごとのコミュニティの増加、63.3%などだ。

 今後2、3年間で最もOSSの影響を受けそうな業界については、回答者の35%で政府が1位に選ばれた。大きく間を開けられた2位が、15%の健康・医療・生命科学業界、3位が13%でメディア業界、4位が9%で金融業界、5位が8%で自動車業界だった。

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