前回の調査から大きく変わった点の1つは、企業へのオープンソース導入でどの要素が重視されるかだ。
1. 質の向上
2. ベンダーロックインからの自由
3. 柔軟性、ソフトウェアライブラリへのアクセス、拡張性、アドオン
4. 弾力性、小さなコストで規模を拡大する能力
5. 優れたセキュリティ
6. イノベーションの速度
7. コストの小ささ
8. ソースコードへのアクセス
2012年の調査結果では、1位が自由で、2位が柔軟性、3位が質だった。この結果について驚くべきことの1つは、「ソースコードへのアクセス」の順位が低いことだ。すべての要素の中でもっとも順位が低く、14%がこの要素を重要ではないとしている。歴史的に、フリーソフトウェアの支持層では、コードへのアクセスはもっとも重要な要素として位置づけられてきた。
もう1つの興味深い結果は、このグループがオープンソースで商用ソフトウェアを代替することの重要性を、どのように見ているかだ。多くの人は、企業がOSSに移行するためのもっとも大きな理由は、総所有コスト(TCO)が低いことだと考えている。この要素は重要だが、実は1番ではない。
理由のトップ3は、上から順に、機能や技術的な性能の優位性、セキュリティの問題であり、その次がようやくTCOだ。 面白いのは、従来企業にとっては絶対に必要だと考えられてきた「商用ベンダーからの正式サポート」が、最下位にランクされていることだ。OSSを利用する企業は、これまで商用ソフトウェアでは必要だった外部からのテクニカルサポートは必要ないと感じ始めているようだ。
特に、どの分野でOSSが(商用ソフトウェアに比べて)伸びるかについての調査結果は、トップ2は従来通りOSと開発ツールだったが、3位は会社が果たす役割に応じて違っている。ベンダーはクラウドを3位に挙げているが、それ以外はモバイルを3位と見ており、大企業(従業員1000人以上)は3位をビッグデータだと考えている。結論は、今後クラウド、モバイル、ビッグデータの分野におけるOSSソリューションへの関心が高まっていくだろうということだ。
これらの調査結果の意味は何だろうか。Black Duck Softwareの社長兼最高経営責任者(CEO)であるTim Yeaton氏は、次のように述べている。「2013 Future of Open Source Surveyの結果は、企業の文化的な変化を示している。企業はOSSコミュニティと協調して優れた開発者を惹き付けたり、コミュニティにおける市民権を維持しながらプロジェクトに影響を与えるなど、新たなレベルの洗練さを身につけつつある。オープンソースの考え方だけでなく、技術も導入されつつあり、これはOSSによって可能なプラスの変化のもっとも確かな兆候だ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。