Benioff氏が目指すカスタマーカンパニーとは、顧客が製品とだけでなく、製品を提供する企業や企業の従業員とつながる姿を指す。「新しいアプローチで顧客とつながる」として、これまでのようにPC、携帯電話やタブレットを通してネットにつながるだけでなく、自動車などモノがクラウドに接続する「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」のためのプラットフォームとして、同社のサービスが活用される世界をイメージしている。
「新しいアプローチで顧客により近づき、全く新しいアプローチで顧客とつながる世界を実現する」(Benioff氏)
これを実現するために「カスタマー革命」に必要な7つの要素を挙げた。
- ソーシャルチャネルを活用し、顧客との関係を強化するソーシャル革命
- あらゆる場所から顧客にアクセスし、場所を問わずに全ての社員がつながるモバイル革命
- 顧客、製品、利用状況に関するデータを収集し、顧客の本質的なニーズを見抜くビッグデータ革命
- 顧客、社員、パートナーとの関係を強化するコミュニティ革命
- あらゆる企業がアプリケーションを開発するアプリケーション革命
- クラウド革命
- 顧客との信頼を確立し、対等な関係を構築するトラスト革命
実際にカスタマー革命を実践する企業として服飾ブランドのBurberryを紹介した。同社は“セールスフォース版Twitter”とも呼ばれる「Chatter」を通じて経営層が社員にメッセージを送り、オープンなSNSから顧客の声を収集するなどソーシャルを活用しているという。
RFIDタグがついた商品が置かれている店舗では、顧客が来店した際に社内に置かれたモニターなどを通じ、SNSから収集したその顧客の属性に基づいた情報を発信するなど、店舗がウェブサイト同様に情報発信基地としての役割を持つものへと変貌しようとしている状況を紹介した。
日本のユーザー企業としては、アスクルが紹介された。同社はコンシューマー向け事業「LOHACO」を展開している。アスクル代表取締役社長兼CEOの岩田彰一郎氏がビデオに登場し、ソーシャルを活用し、顧客の声を反映し、事業内容の改革につなげることが紹介された。