講演の冒頭でこの話を切り出し、しかもこれをもって「富士通は生まれ変わる」との強い表現を用いたところに、山本氏の決意のほどが感じられた。
「IBMのクラウド戦略は競合他社と比べて圧倒的にオープンだ」 (日本IBM の専務執行役員、Vivek Mahajan氏)
日本IBM の専務執行役員、Vivek Mahajan氏
日本IBMが5月22日、企業のクラウド環境の構築と管理を自動化するためのソフトウェア製品「IBM SmarterCloud Orchestrator」を発表した。同社でソフトウェア事業を担当するMahajan氏の冒頭の発言は、新製品をはじめとした同社のクラウド戦略のオープン性を強調したものである。
IBMは今年3月に同社のクラウドソリューション群「IBM SmarterCloud」にオープンな技術を全面的に採用することを発表しており、新製品もそれに沿った形となっている。
具体的には、仮想マシンやネットワーク構成などからなるIaaSレイヤの管理にオープンソースソフトウェア(OSS)の「OpenStack」を採用。その上位層であるPaaSレイヤも、この領域の標準規格の1つである「OASIS TOSCA」に準拠している。
OASIS TOSCAに対応したPaaSがIaaSのインタフェースを呼び出し、クラウドアプリケーションの管理を行う仕組みで、これによって迅速かつ柔軟なクラウド環境の構築や管理はもとより、クラウド上で稼働するアプリケーションの可搬性が確保され、さまざまなクラウド間の連携や移行が容易になるという。
新製品のさらに詳細な内容については、すでに報道されているので関連記事などをご覧いただくとして、ここでは新製品の名称に関する話題を紹介しておきたい。
実は、今回の新製品はシステム運用管理ソフトウェアとして実績のある「Tivori」ブランドの流れを継いで開発されたものだが、Tivoriという名称は使われなかった。
この点について同社では、クラウドにおいてITとビジネスのインフラを最適化していくためには、システム運用管理だけでなく、さまざまなソリューションとの組み合わせが求められるようになってきたことを理由に挙げている。まずは事業名称をTivoriから「Cloud & Smarter Infrastructure」へと、グローバルでこの5月に変更したという。
製品の名称としては、当面Tivoriが継続して使用されるものもあるが、今後は個々の製品名を強調せずにCloud & Smarter Infrastructureソリューションを前面に押し出していく構えだ。こうした名称の変更にも時代の転換期が感じられる。
Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページ、Twitter、RSS、Newsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。