ジオロケーション機能では、位置情報を利用したモバイルアプリなどの提供をより容易にするための機能になる。ショッピングモールのエリアに入ってきたら、自動的にクーポンを配信するといったような形でのサービスが可能になるという。
三戸氏はWorklightを「モバイルアプリ開発のライフサイクルを強化し、“モバイルファースト”の実現を支援する」とメリットを説明した。同社では、Worklightの販売拡大に向けて、業界別モバイルソリューション開発を強化しているシステムインテグレーターやISVとの協業を強化していく考えを示した。
ビジネスプロセスの可視化と管理機能を提供するソフトウェアの新版になるBusiness Process Manager V8.5では、モバイル向け機能を強化した。アプリケーションのユーザーインターフェースを作成する機能「Coach Designer」を通じてモバイルアプリ向けツールキットを提供する。位置情報やマップ、レイアウトなどを追加し、モバイル端末特有の機能をWorklightの機能を使いながら開発できると説明。リッチなモバイルインターフェースを実現できるという。価格は、Express Editionで1プロセッサーバリューユニットが6万5730円となっている。
新製品として投入したMessageSightは、モバイル時代の企業内システムと位置付ける、モバイル端末をはじめとする機器間通信(Machine to Machine:M2M)での大量の情報を安全に、確実に送受信できるという。メッセージプロトコルには、軽量な通信を実現する「MQTT(MQ Telemetry Transport)」を採用した。HTTPプロトコルに比べて、少ない帯域と少ない電気使用量で配信することが可能だという。
「100万台のデバイスが接続された環境で毎秒1000万件以上のメッセージを低レイテンシ(遅延)で配信できる。この1台のアプライアンスで、約30分間にマンハッタンを走行するすべての自動車にメッセージを配信できる能力を持つ」(三戸氏)という。価格は2735万9850円。
消費者向けにメッセージングを活用したアプリを必要とするユーザー企業やM2Mを中心としたデバイスメーカーとの協業を図っていくとしており、「現時点で、想定していなかった業界などからの引き合いもある」(三戸氏)と説明した。