今あるつながりを大事にする
今後の一般消費者のコミュニケーションはどのようになるのか。スマートフォンをはじめとした個人端末を所有することは当たり前の行為となり続ける。最近では、リストウォッチ型、メガネ型などのウェアラブル端末が注目されており、こうしたものを利用したサービスが提供される。そして、それらを利用した、人とつながりたい、つながっていたい、表現したい、理解したい/されたいという、人間の本質的な欲求を満たすサービスが提供されていくだろう。
当面は新たなつながりを求めるよりも、家族、友人など、今あるつながりの「深さや頻度によって親密度を増やす」ことを求めるサービスが普及すると考えている。
サービスがグローバルを視野に入れて提供される昨今、寡占化が進む傾向がある中で、今後も、新たに登場するニッチサービスが巨大アプリケーションベンダーになることがあるだろうが、それもフリーミアムの世界からと予測する。
しかし、課題でも指摘した通り、ユーザーおよび業界の健全な発展のためにも、事業者間トラフィックにおける費用負担の適切な制度の確立が求められる。さらに、フリーミアムにおけるリスクの徹底と、それを許容する判断能力が求められる。
現在のサービスは確かに便利にはなったが、あまりにも時間が費やされるため、人生が豊かになったかといわれると、個人的にはやや疑問を感じているところである。
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- 土佐恒広
- 株式会社矢野経済研究所 情報通信・金融事業部(YanoICT)主任研究員