--IntelにとってHaswellはどんな意味を持っているの?
既に販売は開始されたんだけど、さまざまな要因がHaswellの販売にどのように影響するのかという疑問にはまだ答えが出されていないんだ。従来型のデスクトップPCに対する需要が低迷している点や、バッテリ持続時間の長い最新型のウルトラブックにコンシューマーがどれだけ食指を動かすかという点、また低消費電力のHaswell YシリーズプロセッサがハイブリッドPC市場やタブレット市場でどれだけシェアを伸ばせるかという点もあるからね。
英調査会社OvumでソフトウェアおよびITソリューションの主任アナリストを務めるRoy Illsley氏は、Haswellが搭載されるようなデバイスに対してコンシューマーが購買意欲を抱き続けているという保証はないと言っているしね。
この人は「Haswell搭載デバイスの購入を正当化できるだけの十分な根拠をPC市場が提示できるかどうかにかかっている。世の中では多種多様なデバイスが使われるようになってきており、ウルトラブックやタブレットのコストパフォーマンスがより魅力的になっていくにつれてPC市場が縮小していくのではないかと私自身は考えている」と述べているよ。
米調査会社Gartnerの主席リサーチアナリストSergis Mushell氏は、Haswellプロセッサがもたらすパフォーマンスとバッテリ持続時間の向上によって、ハイブリッドノートPC(タブレットPC)市場が活気づくと確信している。
Mushell氏は「HaswellによってPCベンダーは、PCの持つパフォーマンスとコンテンツ作成能力はそのままに、再生や閲覧の際にはタブレットへと早変わりする製品を市場に投入できるようになる」と述べているんだ。
ただ、Haswellによってより薄く、高性能な、タブレットとしても使えるPCが実現できるようになる一方で、懸念されている点もある。ウルトラブック向けのハイエンドプロセッサとしては、Intel Core i7-4650U(ベースクロックが1.7GHz、ターボブースト時は3.3GHz、L3キャッシュは4Mバイト)と「Intel Core i5-4350U」(ベースクロックが1.4GHz、ターボブースト時2.9GHz、L3キャッシュは3Mバイト)という2つの製品があるんだけど、これらのOEM向け1000プロセッサのトレイ価格はそれぞれ454ドルと342ドルとなっているんだ。
前世代のIvy Bridgeにおける相当品である「Intel Core i7-3687U」と「Intel Core i5-3437U」はそれぞれ346ドルと225ドルなんだ。
これは、そこそこ十分なコンピューティング環境で満足するという時代に生きる価格意識の高いコンシューマーにとってちょっと気になる点だね。また、ウルトラブック向けプロセッサには、Haswellよりも安いものもある。このため、IntelはHaswellに社運を賭けようとするのではなく、「Atom」の「Silvermont」マイクロアーキテクチャをベースにした電力効率の高い「Bay Trail」という新しいプラットフォームも用意して、現在タブレット向けやモバイル向けとして主流になっている「ARM」プロセッサに挑戦しようとしているんだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。