「女性向け支援では、ICTのスキル向上を通じて女性のエンパワーにつなげるほか、ビジネスプランコンテストなどを通じて技術以外の側面からも支援していく」と語った樋口氏は、同社の優位性をこう説明した。
「日本マイクロソフトは、横浜オープンデータポータルの構築で“Windows Azure”を無償で提供した実績がある。オープンデータでは、北米、欧州の各国政府、国連、世界銀行を支援した実績や、復旧・復興への支援制度データベースでもマイクロソフトのクラウドを使用した実績がある。グローバルで培ったノウハウを活用しながら、グローバル都市である横浜が世界に発信できる仕組みづくりにも貢献したい」
樋口氏はまた「オープンデータを活用することで横浜市内の名所、旧跡、あるいはどこに公衆トイレがあるのかといった情報が共有できるようになり、市民の利便性向上や観光への活用による経済活性化などが期待できる」と、オープンデータ活用による期待を述べた。
これまでの横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校での教育支援の成果については、横浜市教育委員会教育長の岡田優子氏が「日本マイクロソフトの最高技術責任者である加治佐氏の講義は、生徒に大きな刺激となっている。生徒のモチベーションを上げることになった。校務にも利用できるアプリケーションを日本マイクロソフトと一緒に開発し、効率化をあげることにも成果があった」と説明した。
会見に同席した横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校校長の栗原峰夫氏は「情報通信分野を課題研究のテーマにしている生徒が約40人おり、そのうち10人がプログラミングを行いたいとしている。これらの生徒に対して、日本マイクロソフトからの強力に支援をいただいている」と語った。
樋口氏と林氏は、2005~2006年に林氏が会長兼最高経営責任者(CEO)、樋口氏が社長兼最高執行責任者(COO)の立場で、ともにダイエー再建に手腕を発揮した経緯がある。日本マイクロソフトと横浜市の積極的な提携の背景には、この時のトップ同士のつながりも見逃せない。