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アナリストの視点

縮小するハードウェア保守サービス市場--事業者は業界再編に備えるべき

石塚俊 (矢野経済研究所)

2013-08-26 07:30

 これまで保守サービスは、IT事業者にとって重要な収益源となってきた。それは、保守サービスが、保守契約により継続的な定額収入を確保できるストック型のビジネスだからである。ユーザー側も保守サービスに対する対価には特に疑問を持たずに支払ってきた。

 しかしながら、保守サービス市場は、現在厳しい状況下にあり、市場は年々縮小している。それは、保守料金の多くはハードウェアの単価に連動して算出されており、そのハードウェア単価が全般的に低下しているためである。

 「保守サービス全体」の2011~2017年度の年平均成長率(CAGR)は1.8%減で推移する予測であり、中でもユーザー企業内にあるハードウェアのメンテナンス業務を代行する「オンサイトハードウェア保守サービス」の年平均成長率が4.4%減と特に大きくなると予測している。(2013 システム運用保守サービス市場の実態と展望)

 メインフレーム(汎用機)を例に挙げると、メインフレームで構築したシステムを、UNIXやWindowsなどのプラットフォームに移植するレガシーマイグレーションが進展しており、出荷金額、出荷台数ともに低下している。メインフレームには、高度な信頼性を要求される社会インフラシステムの中核として、今後も一定の需要が見込まれるものの、高額なハードウェアであるメインフレームの出荷状況の悪化は、保守サービス市場を縮小させている。

 またオープン系サーバにおいても、テクノロジの進歩や生産技術の向上などに伴い低価格化が進行している。このようなハードウェアの単価の低下は、保守料金を低下させるだけにとどまらず、「保守契約を締結せずに、壊れたら再度製品を購入すればいい」といった考え方をする企業も登場させ、保守サービスの利用自体も減少させている。

 そのほか、データセンターへの集約やクラウドコンピューティングの普及も保守サービス市場を縮小させている。クラウドコンピューティングでは、アプリケーションからOS、ストレージ、インフラに至るあらゆるレイヤにおいて、ITリソースはクラウドサービスの提供者(クラウドベンダー)によって集中管理、集中処理される。

 そのようなクラウドコンピューティングの概念が普及したことで、ユーザー企業は、IT機器を所有するのではなく利用するようになってきており、ユーザー企業内にあるIT機器をリカバリーする保守サービスの需要が減退している。

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