[Who Will Be the Next Microsoft CEO? - WSJ]
さて。Microsoftの新CEO探しについては、既にさまざまなメディアが同社内外の有力候補の名前を挙げている(具体的候補については後述)。ただし、この作業が難航しそうに思えるのは以下の理由からだ。
(1)「頭ひとつ飛び出した」と思える候補者が内部にも外部にも居ないこと
(2)「より穏健な移行」を選択して内部(現在の幹部)から新CEOを選んだ場合、特に外部の利害関係者(外部のハードウェア/ソフトウェアベンダーや、投資家など)を落胆させる可能性が高いと見られること
(3)反対に、インパクトなどを重視して――あるいは、変革への意気込みを具体的かつ強烈に示すために――外部の候補者を選んだ場合には、Microsoftの多岐にわたる事業を掌握し、社内外を1つにまとめて「One Microsoft」「Device & Service Company」の実現に向けた方向転換を行うことが(内部者の場合よりも)困難になると予想されること
特に、7月に発表・実施していた大規模な組織再編で新たに選ばれた経営幹部がいずれも「小粒」にみえてしまうことが余計にことを厄介にしているようにも思えてしまう。
各媒体で挙がっている主な候補者の名前は下記の通り(特に外部の候補の名前が、混沌とした状況をよく表しているかもしれない)。
社内(現役幹部)
- Kevin Turner(COO)
- Tony Bates(EVP, business development and evangelism/元Skype CEO)
- Satya Nadella(EVP, cloud and enterprise)
- Terry Myerson(EVP, operating systems)
- Julie Larson-Green(EVP, devices and studios)
- Qi Lu(EVP, applications and services)
社外
- Stephen Elop(Nokia CEO/元Business Division担当)
- Kevin Johnson(元Juniper Networks CEO/元Platforms and Services担当)
- Paul Maritz(VMware 元CEO/元Windows開発担当)
- Tod Nielsen(CEO, Heroku unit of Salesforce.com)
- Blake Irving(Go Daddy、元Micorosoft)
- Sanjay Jha(Motorola 元CEO)
- Steven Sinofsky(元Windows担当)
- Reed Hastings(Netflix CEO/元社外取締役)
CNET News.com編集長でZiff Davisの時代からIT業界の変遷を目にしてきているDan Farber氏は「Bill Gates氏らがつくるCEO選定のための特別委員会では、Microsoftを変革できる完全な候補者を見つけ出すのに、ある種の奇跡を必要とすることになるだろう」と記している(註)。
確かに、Jeff Bezos氏やLarry Page氏などに比肩する人物を見つけ出すには奇跡が必要かもしれない。また当事者側がいくら否定しようが、それでも「Bill Gates現役復帰待望論」が無くならないのも自然なことに思える状況といえるかもしれない。
(参照した情報源は次ページのリストの通り)