米Dellは8月27~29日、中国・北京でイベント「Dell Solutions Summit」を開催した。初日の基調講演に登壇した創業者兼最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏は、サービス分野でも標準化と拡張性を持ち込み、価格を下げつつ高度なサービスを提供すると述べた。
PC企業からサーバ、ストレージなどエンタープライズシステムに拡大したDellは、数年前から一連のIT事業を扱う総合企業になるという大きな目標を打ち出している。Solution SummitはDellの一連のサービスを展示する重要なイベントとなり、2008年北京五輪のメインスタジアムの近くにある会場には、Dell氏はじめエンドユーザーコンピューティング、エンタープライズ、ソフトウェア、サービスの4事業のトップが勢揃いした。
Dell Solutions Summit
サービス提供におけるDell氏のメッセージは、包括性、拡張性、そして低コストだ。「クラウド、ビックデータ、モバイルなどの新しいトレンドにより、技術が消費される方法が大きく変わりつつある。Dellのサービスは、このようなトレンドを求めやすい価格で提供し、システムをモダン化、簡素化するのを支援する」とDell氏は述べる。約5年前に変革戦略を掲げた当初から一環して、設計から構築、実装、運用、そして管理とサイクル全体をサポートするエンドツーエンドの総合ITベンダーというビジョンを維持してきたという。
ビジョンを実現するにあたり、Dellは社内開発と提携、買収の両方を積極的に行っている。「(総合ITベンダーとしての)ビジョン構築のため、ポートフォリオに100億ドルを費やした」とDell氏、2012年だけでその半分となる50億ドルを投じたという。2012年はソフトウェア事業部を新設、IBMの幹部を務めた後にCAのCEOを務めていたJohn Swainson氏を事業部トップに迎え入れるなど、戦略を大きく進めた年となる。Dellは現在、非公開企業となる計画を打ち出しているが、そこでもDell氏は(非公開企業となることで)戦略を進めるための投資を加速できる、と理由を説明している。