失敗したプロジェクトから学んだ3つの教訓

Andrew Makar (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-09-27 07:30

 プロジェクトが失敗しても、それはまったくの時間の無駄に終わるわけではない。そこで得た経験は、次のプロジェクトを成功に導くうえでの「べからず集」を構成する貴重な教訓をもたらしてくれるはずだ。

 あなたの履歴書には成功したプロジェクトが書き連ねられていると思うが、経験豊富なプロジェクトマネージャーであれば、失敗したプロジェクトや、問題を抱えたプロジェクトにかかわった経験も、少なくとも1度はあるはずだ。「2009 Chaos Report」によると、66%のプロジェクトは業務目標の達成に失敗したか、壁にぶち当たっていたことが示されている。


提供:Ingo Meironke

 プロジェクト目標がスコープの削減による影響を受けたり、「戦略的方針転換」によってリリースが中止されたり、本当の業務価値を提供できないただの多大な投資に終わったとしても、そういった失敗プロジェクトを成功プロジェクトとして語る場合もある。あなたにも心当たりがあるのではないだろうか?そうであれば手を挙げてほしい。手を挙げるべき人がいるのは分かっている。筆者もその1人だからだ。

 機能不全に陥っているプロジェクトで仕事をしていると、ストレスが高まるうえ、精神的苦痛も伴う。しかしそこには、あなたをプロジェクトの成功へと導く、数多くの教訓が待ち受けているのだ。本記事では、筆者が失敗プロジェクトから学んだ3つの最も重要な教訓を紹介する。

#1:プロジェクトスケジュールはあなたの友達だ

 プロジェクトの失敗や納期遅れは、詳細なスケジュールが把握できていないために引き起こされるケースが多い。プロジェクトマネージャーは、上位管理者向けにマイルストーンチャートや小ぎれいなガントチャートを作成しているかもしれない。しかし、こういったチャートの根拠となる詳細スケジュールが管理されていなければ、プロジェクトの納期に影響が及ぶような兆候を発見できないはずだ。

 筆者は、人事部門の人材採用システムを1年間で開発するプロジェクトの業務アナリストとして仕事をした経験がある。このプロジェクトには、履歴書の整理や保管、およびオンラインによる採用希望者評価をサポートする複数のウェブアプリケーションが含まれていた。開発チームは、コンサルタントやIT部門の要員のほか、入れ替わりの激しいプロジェクトマネージャーといった数十人で構成されていた。そしてチームには上位レベルのマイルストーンが与えられるとともに、秋の採用シーズンに向けた納品日が設定されていた。

 しかし、詳細日程やクリティカルパス、遅延タスクを把握するための統合スケジュールについては、誰も(プロジェクトマネージャーですら)用意していなかった。プロジェクトが10カ月目を迎えた頃には、コードのほとんどが用意できていない、あるいは動作しないというストレスをチームメンバー全員が抱えていた。このため、われわれは納期を守るうえで絶対に必要な作業を洗い出すためのミーティングを実施した。

 ミーティングの後、筆者は自席に戻り、議事録に記された情報を元に「Microsoft Project」を用いて試行錯誤を始めた。プロジェクトの責任者が筆者の席に立ち寄った際に、現状を反映したタイムラインの資料を提示したところ、その責任者はまるで、チーム全体を統べる1つのツールを発見したかのように、「これは10カ月前にはどこにあったんだ?」と尋ねたのだった。筆者は単なるアナリストという立場で参加していたのだが、同じ疑問を感じていた。

 プロジェクトスケジュールはあなたの友達だ。スケジュールをまとめ上げて継続的に更新していくのは確かに大変だが、プロジェクト成功のためにスケジュールは不可欠のツールなのだ。

教訓:プロジェクトスケジュールの作成と管理を怠ってはいけない。

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