TISとSAPジャパンは10月21日、金融ビジネスにおける戦略的協業体制を構築したと発表した。両社は共同で、金融業界向け情報基盤の提案や販売を強化するための体制を構築する。
最近の金融業界において、消費者によるスマートフォンやSNS活用、新たな自己資本規制であるBasel IIIなどのグローバル金融規制対応、欧州金融危機や震災を踏まえたリスク管理体制の整備などにより、リアルタイム情報基盤のニーズが高いと指摘する。
これに対応するため、SAPジャパンとTISはSAPのビジネスインテリジェンスソフト「SAP BusinessObjects」とSAPの関連会社Sybaseのデータベースモバイルサービス製品群に関してOEMライセンス販売のグローバル契約を締結した。TISは、SAPのアナリティクス、データベース、モバイルサービスに同社が持つ金融事業におけるノウハウを組み込むという。
協業により提案する金融業界向けの情報基盤システムでは、顧客行動や市場変化に対する迅速な対応を実現するという。
TISが金融業界で培ったノウハウや、運用実績をもとに、金融データモデルや財務分析、統合リスク管理などのサービスを一括で提供し、金融業界向け情報基盤サービスとして販売からプロジェクト運営、保守までをサポートする。同社は業務ノウハウをさらに蓄積し、情報基盤システムのテンプレートを開発する予定。
TISとSAPジャパンは金融業界向けSAPサービスの販売を強化するために、10月に共同の販売体制を構築し、販売活動を開始する。金融業界向けに提案する情報基盤システムに加え、顧客関係管理サービス「SAP CRM」や保険業界向けの基幹業務パッケージである「SAP for Insurance」を組み合わせ、包括的な金融サービスとして販売活動を推進する。