誤解や不明確さの改善でも貢献
OSCではまた、Dell、パートナー、顧客間で起こりうる誤解や不明確さの改善という点にも貢献しているという。
今後成長が見込めるクラウドでのチャネル戦略については、クラウド向けハードウェアの提供、クラウドサービスの提供、Dellのクラウドインフラを使って自社ソリューションを自社顧客に提供の3つが考えられるとして、「トレーニングを拡充し、(パートナー各社に)チャンスを提供する」と述べた。現時点では、プライベートクラウド構築関連のコンサルサービスが多くを占めているという。
さて、OSCのようなツールが欲しいとDellに要求した1社が、1年前よりDellのPreferredパートナーとなったインドのITインフラサービスTranstek Infowaysだ。同社は複数のベンダーの製品を取り扱うが、Dellの比率が高まっており、現在約50%を占めるという。「Dellでは窓口が1つであり、価格から技術情報まですべてのやり取りを1人の担当者と行うことができる。これはとても便利で効率的だ」と同社のCEO、Vishal Sopory氏、それ以外のベンダーは窓口がバラバラで自社顧客にオンタイムでの回答やオファーが難しいという。
「われわれパートナーがベンダーに求めるものは、強いブランド、アフターセールスがきちんとしていること、技術力があること、この3つだ」とSopory氏。だがTranstekがDellを選んだ最大の理由は、上記の案件登録だ。例えば同一顧客に5社が製品やサービスを提供するような場面では、利益はほとんど出ない。案件登録によりDellが案件の衝突を管理していることで、利益が確保されると評価した。
APJ担当トップのLee氏は、立ち上げから5年間、日本を含むアジア地区の成果に満足しているようだ。直前まで開催された中国向けのパートナーサミットでは、前回の2倍以上に当たる400社が集まったという。
現在の課題としては、日本など成長国ではパートナーがDellを提供する比率を上げる、途上国ではカバー/リーチの拡大を挙げた。「どうやってパートナーの提案内容の強化を支援できるか、あるいはこれまでできなかったものを提供できるか考えている。
例えば、PCやノートPCを提供するパートナーが、Dellのポートフォリオ強化によりデスクトップ管理、デスクトップ仮想化などの製品やサービスを提供できるようになった。われわれのポートフォリオや製品強化により、チャネルパートナーの事業の増加を可能にする」と述べる。
大切にしていることは、予測(安定)性と一貫性。「驚きがなく予測可能であること、一貫性、この2つはチャネルビジネスの基本だ。成功に不可欠な要素だ」とLee氏。そのために重視しているのが、相互に信頼と収益をもたらす関係だ。Lee氏はこれを、「クオリティの高いパートナー関係」と形容した。
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