チャネル事業での4つの焦点
チャネル事業担当のDell社員は2000人以上に増えており、事業規模は市場平均の2~3倍のペースで伸びているという。Dellの売り上げに占める比率は「開始した初年度は15%程度だったのが、既に3分の1に拡大している」と胸を張る。
チャネル事業での焦点は4つ。1)顧客が簡単に利用できるようにするシンプルさ、2)トレーニング、3)顧客の収益性、そして4)Dellのソリューションがフィットし、収益性も高いデータセンター案件への注力だ。中でもDavis氏が強調するのが、2)のトレーニングだ。Dellは2013年、合計で25万本ものトレーニングコースを提供する見込み。コースの本数は、上半期だけでも前年同期から26%増加しているという。それだけではない。これらのトレーニングは無料だ。すでに受講者は累計で6万人を超えているとのこと。

バイスプレジデント兼APJ GCC担当統括本部長のRichard Lee氏
「Dellの技術、製品、ソリューションを理解してもらうことが大切。Dellの製品体系や強みを熟知していれば、最適な技術を最適なところに利用してもらえ、パートナーの顧客に満足してもらえる」とDavis氏は述べ、今後もトレーニングに大きな投資を行っていくとした。
3)の収益性については、「どうやってパートナーの収益を上げつつ、われわれの事業を成長させるのかを常に考えている」と述べ、価格設定のほか、取引登録などのツールの提供を例に挙げる。
取引登録は、進行中の取引案件を提出して情報を共有、登録が承認されるとDellから価格情報を得られるというものだ。「価格は、パートナーと顧客の関係、Dellとの関係などを反映したもので、パートナーがしっかりと収益を上げてもらうよう設定する」という。前四半期、取引登録には約7万6200件の登録があり、このうちの71%が承認された。取引登録は、Dellの直販部隊も同じシステムを利用しており、Dell社内で発生する可能性がある直販とパートナーの衝突を回避する役割もあるようだ。顧客がDell製品を購入するに当たって、直販、パートナー、オンラインと複数の販売チャネルがあることで「選択肢を提供する」とDavis氏は説明する。
Davis氏はパートナーへのコミットを示す例として、フィードバックを得て1年前に提供を開始したという「Online Solution Configurator」(OSC)も紹介した。パートナーがポータル経由でサーバ、ストレージなどの設定をセルフサービスで行えるツールだ。これまではDellに連絡し、Dellが設定情報を伝える、というステップを経ていたため、時差や手間があったが、作業が60%程度削減され、いつでもどこでもアクセスできるようになった。