今年の流行語になぞらえれば、「やられたらやり返す」といったところか。サイボウズが仕掛けるグローバル展開への「倍返し」に大いに注目したい。
「デザインドコミュニケーションという新しいコンセプトを提唱したい」 (NEC 保坂岳深 執行役員)
NECが先ごろ、ITシステムと連携することで状況に応じたコミュニケーションを実現する新たなコミュニケーションサーバとして、中大容量タイプの「UNIVERGE SV9500」および小容量タイプの「同SV9300」を発表した。保坂氏の冒頭の発言は、その発表会見で、今回の新製品投入を機に打ち出したコンセプトについて語ったものである。
NEC 保坂岳深 執行役員
従来、電話などのコミュニケーションシステムと受発注管理などのITシステムは独立して運用されており、両システムの情報を使うワークフローにおいては、人が介在することで対応していた。これに対し、新製品はITシステムと連携するためのインターフェースを強化したことで、業務アプリケーションなどとの連携を容易にしたという。
UNIVERGE SV9500では、ユニファイドコミュニケーション(UC)機能を融合したUCサーバモデルと、既存のPBXや電話機などの有効活用および既存のネットワーク環境への接続性などを重視したテレフォニーモデルの2モデルを用意。UCサーバモデルは音声通話に加え、インスタントメッセージやウェブ会議などを駆使したスピーディで最適なコミュニケーションを実現することで、業務の効率化と生産性の向上に寄与するとしている。
同社では今回の新製品投入を機に、「デザインドコミュニケーション」という新しいコンセプトを打ち出した。保坂氏によると、デザインドコミュニケーションとは「人と人、人と組織の連携に向け、業務システムだけでは作り込めないプロセスをコミュニケーションで補完するというコンセプト」だという。すなわち、UCサーバモデルでいえば、UCと業務アプリケーションを融合させた形だ。
こう説明を聞いていくうちに、筆者の頭の中には最近のITトレンドを象徴する1つのキーワードが浮かんだ。ソーシャルである。UCと業務アプリケーションの融合にソーシャルが加われば、用途はもっと広がるのではないか。思いつきではあるが、会見の質疑応答で保坂氏に尋ねてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「UCは主に社内を対象としたものだが、ソーシャルをうまく組み合わせれば、社内外に用途を広げられる可能性はある。今後の展開としてはソーシャルを活用することも検討しているが、一方でセキュリティへの対応をはじめ、運用面で懸念される面があることも認識しておく必要がある」
あながち的外れな質問ではなかったかも。ソーシャルは今、業務アプリケーションとの融合が進んでいるが、それにUCがどう連携してくるのか。興味深いところである。
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