クラウドで再挑戦--サイボウズ、2014年から米中でマーケティングを展開

齋藤公二 (インサイト) 2013年11月08日 19時26分

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 サイボウズは11月8日、次世代クラウドサービス基盤実現に向けた取り組みと題した記者説明会を開催。代表取締役社長の青野慶久氏がクラウドサービス「cybozu.com」の現状やエンタープライズ環境に向けた取り組み、PaaSkintone」の新機能などを解説した。

 同社は同日にイベント「cybozu.com カンファレンス 2013」を開催し、青野氏は基調講演で、cybozu.comの現状やユーザー事例などを紹介。説明会ではその内容を改めて解説する形となった。cybozu.comの契約者数は10月に5000社を突破し、その中には東証一部上場企業も84社含まれているという。


サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏

 「Salesforce.comが6000社を超えるまで13年間かかったと聞いているが、われわれはサービスを開始した2011年から2年で5000社を超えた。クラウドで日本企業も負けていない」(同氏)

 「サイボウズというと、これまではSMB(中堅中小企業)向けで“格下”と見られる傾向もあった」(青野氏)が、クラウドが舞台となった現在では、それは通用しなくなってきたとも主張。イベントへの申込者数を見ると、従業員1000人以上の大手企業からの参加者が32%となっており、「サイボウズがクラウドの土俵に上がった」と感じているとした。

 大企業のユーザー事例としては、大企業向けのSaaS型グループウェア「Garoon on cybozu.com」を利用しているほけんの窓口グループ、kintoneを使って工場の現場でタブレットから品質を管理する敷島製パン、kintoneをグローバル統一の全社最適システムとして採用したディー・エヌ・エー(DeNA)などを紹介した。海外企業の事例として、バイオベンチャーの米Suncisがkintoneを使ってセンサデータをクラウド上に集約しパートナー情報を共有している例を紹介した。

 「M2Mという言葉があるが、情報共有を実現するためには、それを人にまでつなげていく必要がある。センサからクラウド(kintone)、そして、ヒューマンという流れをM2M2Hというコンセプトで実現している」(青野氏)

 海外のケースは、このほかにも数社あり、米国のサービスサイトではその事例も掲載されている。青野氏にによると、米国企業から評価を受けた背景の1つに、kintoneが実現しているビジネスプロセス管理(BPM)機能があるという。

 米国では、権限を移譲して人に完全に任せるケースが多く、プロセスを複数人がワークフローのような形で管理する機能が弱いという。逆に、日本ではこの分野で積極的にIT化に取り組んできたため、それが評価につながっているとした。

 cybozu.comの今後の展開としては、パートナーと協業してエコシステムを作ると説明した。同社は10月29日にVMwareと連携して「VMware Horizon Workspace」とcybozu.comのシングルサインオン(SSO)を実現したことを発表。10月30日には日本オプロのクラウド帳票サービス「OPROARTS Live」とkintoneとの連携を、11月6日にはOSKの中堅企業向け基幹システム「SMILE BS」とkintoneとの連携をそれぞれ発表した。11月7日には、Zendeskと日米市場でのシェア拡大を目的とした戦略的協業を開始するといった施策も発表した。

 「協業の背景には、われわれがデスクワークで対応できる範囲を超え、パートナーとともに事業を展開していかないと多様なニーズに応えられなくなるという危機感があった。クラウド時代になり、誰がエコシステムの中心になるのかはわからない。ただ、さまざまなクラウドサービスと連携できるようにすることで新しいエコシステムが作られていくことに、とてもワクワクしている」(同氏)

 こうした提携が加速した背景には、kintoneが提供するAPIを使ったビジネスの可能性が広がってきたこともあるようだ。kintoneリリース後1年間は「ほとんど相手にされなかった」という。だが、APIを公開し、SIや製品間連携ができるようになったことで、提携を持ちかけられるケースも増えたという。

 そのkintoneは、サイボウズのグローバル展開のための戦略製品に位置付けられている。イベントの基調講演では、2014年から中国と米国の両市場に向けてマーケティング活動を本格化させることが発表された。同社はかつてグループウェアを戦略製品として米国に進出したが、失敗している。その経験を踏まえた再チャレンジだという。

 「スケジュールはプライベートとする米国でスケジュールを共有する製品を売ろうとしたのが失敗の要因。文化に依存するところはグローバル展開が難しい。そこで、レイヤを1つ落とし、ミドルレイヤを提供することにした。ローカルの部分は、現地のパートナーにローカライズしてもらい、パートナーとエコシステムを作る。海外のパートナーが興味を持ってもらえる製品がようやくできた。これから、そのエコシステムをグローバルに広げていく」(青野氏)

 kintoneは、11月11日にバージョンアップし、新機能や機能改善が施される予定。今後「世界に通用するサービス」として展開していくという。


パートナーとの提携によるソリューションマップ

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