エンタープライズモバイルの時代

スマートデバイス導入における落とし穴--中

千葉友範(デロイト トーマツ コンサルティング)

2013-11-29 07:30

 前回は、「スマートデバイス導入における落とし穴(その1:デバイス/アプリ)」と題し、スマートデバイス導入を成功させるためのポイントについて言及してきた。

 第2回となる今回と第3回は「ワークスタイル」に焦点を当てながら、BYODを含めたスマートデバイス導入に当たっての課題を解説。

 まず、BYODのトレンドについて見ていくことにする。昨今、導入を巡り意見が分かれている私物端末の業務利用の仕組み、いわゆ るBYOD(Bring Your Own Device)だが、ここに来て、導入を真剣に考える企業が増えてきている。


スマートフォン・タブレット普及予測(タブレット端末利用動向調査報告書2012)

2013年1月公表時点 BYOD/シャドーITの実施率 IDC提供(2013年 国内BYOD利用実態調査結果

 例えば、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が公表しているタブレット端末利用動向調査では、会社でのタブレット支給率を見ると、2012年は2010年の約5倍増となる34%(トライアル導入含む)に上ったという。これに、会社が黙認した状態のいわゆる「シャドーIT」を含めたBYODを含めると利用率がさらに約19%上がることになる。

 最近では、こうしたシャドーITを放置している状況のほうが、情報漏えいリスクを潜在的に抱える状況にあることの理解が企業側でも進み、BYODを“許可”してしまい、それを前提とした対策を講じている方がむしろ安全であるという考え方も認知され始めてきている。

 BYODは、メールやスケジューラのチェックというのが利用目的としては最も多く、直行直帰や移動時間などの隙間時間を有効に使いたいというニーズを反映したものである。

 また、iPhoneに搭載されるFacetimeやGoogle Hangoutのようなアプリを使って、移動をしなくても複数の拠点間をつなぎ、対面で効率的にコミュニケーションできる。

 こうしたITを比較的安価に個人が入手し、利用できる、いわば“ITの民主化”がこれまでのわれわれのワークスタイル(働き方)を一変させたのではないだろうか。

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