2013年は、オープンソース界にとって着実な前進の年だった。良いことが多くあり、悪いことも少しはあった。Linuxは今後も着実に地歩を固めていき、2014年は過去最高の年になるだろう。
読者の中には、これもLinux信者が毎年語る世界制覇の妄想だと感じる人もいるだろう。しかし、今回の大胆な予想には、十分な理由があるのだ。ここでは、2014年がLinuxとオープンソースにとって輝かしい年になると筆者が考える、10の理由を説明する。
1.企業データの分野でオープンソースが主流になる
これは、好調な「Red Hat Enterprise Linux 6.5」の導入が今後も続くことにもよるが、実はそれ以外にも要因がある。データのセキュリティと柔軟性に対する大企業の要求が高まるにつれ、そのニーズを満たすために彼らはオープンソース(特にLinux)に目を向けざるを得なくなる。データの表現と共有に対する大企業の要求は、ますます大きなものになっていくが、それを実現するには、オープンソースを選択する以外にないことに気づくはずだ。
2.ValveがOEMハードウェアメーカーに呼びかけを行う
ValveがLinux Foundationに参加した。このことがもたらす大きな利点は、同社がOEMハードウェアの開発会社とメーカーに対して、Linuxのサポートにより多くの資源を投入するよう求めているということだ。このことで、最初に恩恵を受けるのは、NVIDIAとATIのハードウェアを所有しているユーザーだろう。Valveは、これら2つのハードウェアメーカーが、オープンソースのプラットフォームとソフトウェアを全力でサポートすると保証している。
3.Linuxタブレットがようやく日の目を見る
2014年中には、マーケットの主流になるタブレットは出てこないかもしれないが、少なくともUbuntuは、年末までにはマス市場向けのハードウェアにインストール可能なイメージを出してくるだろう。筆者はこれが「Nexus」シリーズを始めとして、サムスンやMotorolaの製品にも提供されると考えている。これらのイメージがハードウェアに一度組み込まれ始めれば、他のメーカーもLinuxタブレットの流行に乗り始めるだろう。
4.「GNOME 3」が再び競争力を取り戻す
2013年に大きく失望させられたことの1つに、「GNOME 3」がある。筆者は、この状況を改善する何らかの準備がある(それが何かはまだ分からない)と信じている。それはユーザーが使いやすいアプリケーションランチャー(「Unity Launcher」のような)かもしれないし、新しい「GNOME Core Apps」(「Maps」、「Music」、「Calendar」、「Software」、「Photos」)のリリースかもしれない。どちらにせよGNOME 3は、最新インターフェースの良さを保ちながら、2014年中にかつての栄光をある程度取り戻すだろう。
5.KDEに形勢を変えるような機能がリリースされる
KDEは、このところ陰に隠れてしまいがちだった。それでも、スタートメニューのメタファを使った、伝統的なタイプのキビキビしたデスクトップを作るために、KDEは歩みを止めず、今あるものを改良し続けている。2014年には、KDEの開発者はこのデスクトップに形勢を変えるような優れた機能を追加して、ユーザーを呼び戻そうとするはずだと筆者は考えている(たとえそれが一時的なものだとしても)。筆者は、「KDE Tasks」が大々的にオーバーホールされ、デスクトップの利用を大きく効率化してくれるものになるのではないかと考えている。あるいは、「KDE 5 Plasma 2」のモジュール基盤が、大きく前進するという可能性もある。