現時点では、デスクトップ分野ではAndroidの需要は少ないという議論は妥当だろう。しかし、昨今の消費者のWindowsに対する忠誠心は、どれほどのものだろうか?
消費者は、WindowsのためにPCを買うわけではない。自分がやりたいことに役立つデバイスを買う。ほとんどの消費者には、OSについてのこだわりはない。タブレットでWindowsが使えないことに不平を言うユーザーはほとんどいないのだ。消費者がこれまでWindows PCを購入していたのは、それ以外に選択肢がなかったという理由が大きい。Androidを使って満足した経験から、人々はデスクトップでAndroidを試しても構わないと思うかもしれない。
一般消費者の間でAndroid PCが使われるようになれば、職場にも登場するようになるはずだ。
MicrosoftはWindows RTによってAndroidの脅威を排除しようとしたが(今のところうまく行っていない)、その取り組みを改善する時間はある。
消費者がAndroidタブレットやChromebookに魅力を感じたとしても、Microsoftの中心的な法人顧客は、今後も長い間それに抵抗する可能性が強い。多くの企業はインフラ全体に関してMicrosoftに大金を投じており、それを大きく変えることは当分難しい。
このため、Windowsに対する脅威があるとしても、企業に関して大きな影響を与えるには、あと10年はかかるだろう。その間には、Windowsも大きく進化して、自分の得意とする分野でAndroidの脅威と戦う準備を整えるはずだ。
しかし、長期的に見れば、デスクトップ分野でどちらのOSが主流になるかは、あまり重要な問題ではないかもしれない。
PCの販売台数が今後また増えるとは考えにくいし、PCがコンピュータの形式として主流であった時代は終わった。消費者は、タブレット型のデバイスに満足している。家庭にはまだ共用のPCがあり、必要に応じて使われているが、日常的には自分のスマートフォンやタブレットを使っている人が多い。
同じことが、オフィスでも起こると考えるのはおかしいだろうか?PCはかつてのワークステーション(あるいはもう少し安いコピー機やFAX)のような存在になるのだろうか?PCは今後、確かに置いておく必要はあるが、すべての机の上に置く必要はないものになるのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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