デルは1月23日、デル・ソニックウォールのビジネス戦略に関する記者説明会を開催。中堅中小企業(SMB)市場でのシェア拡大に向けて、マネージドサービス「SecureWorks」や管理ツール「KACE」との連携商材の販売を推進していくことを明かした。既存の主要代理店向けキャンペーンブログラム、新規代理店(2次店)の開拓に向けたトレーニングプログラムやアワードプログラム、連携商材の販売を加速させる。
ソフトウェア事業本部 セキュリティソフトウェア本部 本部長の藤岡健氏によると、デル・ソニックウォールの統合脅威管理(UTM)分野のシェアはIDC Japanの2012年のシェアで12%の第2位。NSS Labsの2013年の不正侵入防止システム(IPS)部門では次世代ファイアウォール「SuperMassive E10800」が2年連続で格付け「Recommend(推奨)」を獲得し、GartnerのUTMのMagic Quadrantでもリーダーに位置するなど、顧客やアナリストから高い評価を得ているという。
デル ソフトウェア事業本部 セキュリティソフトウェア本部 本部長 藤岡健氏
「顧客に選ばれる理由は、高セキュテリィ、高パフォーマンス、オールインワンであることの3つ。他社よりも攻撃の検知率が3倍高く、1Mバイトあたりの価格性能比が3分の1で、さらに標準価格の半分で多機能のセキュリティ製品を提供している」(藤岡氏)
1月末に決算を迎える2013年度の振り返りとしては、SMB市場を中心にビジネスが堅調に推移したこと、教育機関や県市町村など公共部門を中心にSuperMassiveの導入が加速したこと、他社製品からの置き換えなど、既存のデルの顧客への導入が活性化したことの3つをトピックとして挙げた。デル買収後、ビジネス規模は3倍になるなど、デルによる買収効果が顕在化したという。
2月以降の新年度では、買収による相乗効果を最大化するため、SMB市場でのシェア拡大を図る。具体的には、チャネルビジネスを一層推進するため、アップグレードや他社製品からの置き換えについて、既存代理店向けにキャンペーンプログラムを推進する。新規代理店を開拓するために営業向け、エンジニア向けトレーニングプログラムを開催、個別リベート、アワードプログラムの設定などを進める。
こうしたパートナーを通じて、UTMアプライアンスのSonicWALLと、KACEやSecureWorksを組み合わせた「Dell トータル セキュリティ ソリューション」の販売を加速させる。
デル SecureWorksビジネス&マーケティング シニア・マネージャ 古川勝也氏
KACEとの連携では、テレワークやリモートアクセスのニーズの高まりを受けて、外部からのさまざまなデバイスによるリモートアクセス環境の管理が重要になってきており、それらへの対応策に強みを持つことを訴えていく。SecureWorksとの連携では、サイバー攻撃の巧妙化を受けて、セキュリティ運用の負荷が増えており、マネージドセキュリティサービスを含めたワンストップでのサービス提供ができることを訴えていく。
SecureWorksのサービスの特徴については、SecureWorksビジネス&マーケティング シニア・マネージャの古川勝也氏が紹介した。デルのサービス事業部に統合されたのは2011年で、現在は全世界で3800社にサービスを提供している。
日本での本格展開は2013年2月からで、サービス開始からおよそ1年を経過した状況だ。特徴の1つとして、世界8カ所のセキュリティ監視センター(SOC)で1日あたり700億件のログを処理していることを挙げている。