全国に80店舗を超える宝飾品専門小売店チェーンを展開するベリテでは、経営者が必要とする情報を可視化するためにデータ可視化ツール「MotionBoard」を導入した。ウイングアーク1stが3月13日に発表した。経営トップ自ら利用しているという。ビジネスインテリジェンス(BI)のフロントツールとしてMotionBoardを、BIエンジンとして「Dr.Sum EA」を採用した。
ベリテ代表取締役社長で最高経営責任者(CEO)の平野和良氏は、3年ほど前から「“生きた数字”“見たい数字”といった経営者が必要とする情報が抽出できない」といった悩みを抱えていたという。課題解決のために基幹システムを刷新するには、投資額が大きすぎるとして断念。今回のMotionBoardとDr.Sum EAの採用は、既存の基幹システムを生かしつつ、経営に必要な情報を抽出し、コストパフォーマンスの高いBI基盤を構築するためだとしている。
MotionBoardは2013年4月に導入。半年ほどをかけて、平野氏と経営企画室、情報システム部の責任者の3人によるプロジェクトチームが、業績予測につながる主要業績評価指標(KPI)を設定、KPIは平野氏と現場のマネージャーで共有しているという。
平野氏自ら、MotionBoardで予測につながる数字、生きた数字を分析しており、KPIを通じてやるべきことを指示。現場がどうやるかを考えて「予測数値」を明示し進捗をチェックすることで、仮に予測と実績にズレが生じることがあれば、すぐに次の一手を打つことができるようになったと説明している。
現場では、MotionBoardの入力機能を通じて素早くフィードバックし、進捗を報告するためのレポートを作成する必要がなくなって業務の効率化につながったとしている。本格運用開始から約半年が経過した時点で、売り上げや客単価が前年同期に比べて伸長しているという。この4月からは全従業員が利用できる体制にしていく。
ベリテでは、自社での実践で身に付けた、データの中から効果の出やすいKPIとなる数字を検証するノウハウ、トップダウンでプロジェクトを進め全社に確実に浸透させるノウハウを今後他社に対して積極的にコンサルティングしていく予定という。