独立行政法人情報処理推進機構(IPA)技術本部セキュリティセンターは4月1日、「あなたのパソコンは4月9日以降、大丈夫?」と題した呼び掛けをサイトに掲載した。4月9日にMicrosoftのサポートが終了するWindows XPとOffice 2003について、改めて対策を呼び掛ける内容だ。以下、その概要を伝える。
サポート終了とは脆弱性が発見されても放置されること
4月9日にサポートが終了すると、Windows XPおよびOffice 2003に対しては、新たに脆弱性が発見されてもMicrosoftから修正プログラムなどが提供されなくなる。そのため、ウイルス感染や不正アクセスを受けやすくなり、以下のような被害に遭うリスクが発生する。
ウイルス感染
- 銀行口座のIDとパスワードが流出し、自分の銀行口座に不正にログインされ、他口座に勝手に送金される
- オンラインゲームのIDとパスワードが流出し、アイテムやゲーム内通貨が奪われる
- パソコンが知らぬ間に「偽セキュリティソフト型ウイルス」に感染する
- パソコン内の画像など私的データが、インターネット上に漏えいする
- パソコンから勝手に迷惑メールが送信される
- 遠隔操作によって、自分のパソコンから勝手に掲示板に書き込みが行われる
不正アクセス
- パソコンの中の情報を盗み見られる
- 遠隔操作によって、自分のパソコンから他のコンピューターへの攻撃が行われると、あなた自身が加害者になる可能性がある
「サポート期間中」と「サポート期間終了後」の違いのイメージ図
サポート終了対象製品からの乗り換え方法
Windows XPからの乗り換えには、「パソコンの新規購入」「ハードウェアを継続利用しWindowsを現行OSにアップグレード」「タブレットやスマートフォンに乗り換える」といった選択肢から、予算や使い方に応じて検討することになる。なお、アップグレードを検討する際には、そのハードウェアでアップグレード可能かどうかをMicrosoftの提供するツールを用いて事前に確認するといい。
Office 2003からの乗り換え先は現行バージョンのMicrosoft Office、あるいは予算面などで難がある場合は他社製品もしくは無料のオフィスソフトといった選択肢がある。ただし、他社製と無料オフィスソフトでは、表示に不具合が出るなど互換性の懸念がある。
使い続けるには「LANにも外部記憶媒体にも接続しない」条件で
IPAは、サポートが終了した製品の継続使用を推奨していない。ただし、サポート終了に伴って高まるリスクは外部からの攻撃によるものなどであり、外部とデータを一切やり取りしなくする場合には、従来通り使い続けることが可能だ。そのためには「インターネットに一切接続しない」だけでなく、「LANから切り離して使用する」「USBメモリなど外部記憶媒体にも一切接続しない」といった条件が必要で、以下のような例が考えられる。
- ワープロ専用機として使用し、印刷する際はプリンターケーブルを用いてプリンタと直結して印刷する。
- パソコンゲーム専用機としてオフラインで使用する。