ガリバーインターナショナルは社内システムをAmazon Web Services(AWS)へ移行、「Windows Server 2012」の「フェールオーバー クラスタリング(WSFC)」とデータ複製ソフトウェア「DataKeeper」を組み合わせ、共有ストレージ不要のシンプルなHAクラスタ構成を実現した。Datakeeperを提供したサイオステクノロジーが4月23日に発表した。
ガリバーは、運営する中古自動車店舗を現在の全国約420店から2018年2月までに国外を含めて1600店舗に拡大する計画を進めている。この事業成長に備え、迅速かつ柔軟に対応できるIT基盤を確立するため、社内システムをAWSに全面的に移行し、クラウド活用を優先的に検討する“クラウドファースト”を推進している。
同社はAWS上に稼働システムと待機システムを設け、障害時にはWSFCでフェイルオーバーするように構成した。障害時に直前までのデータ復旧を瞬時に行えるよう、リアルタイムにデータを複製する仕組みとして、DataKeeperを活用している。

DataKeeperを活用した既存システムのAWSへの移行イメージ図(サイオス提供)
現在、ガリバーの保有するオンプレミスで構築された既存システムの約30%がAWS上へ移行しており、移行後も従来と変わらないシステム運用が実現できているという。ガリバーは今後、大量かつ多様なデータを扱っていく必要があり、順次システムのクラウドへの移行とともにDataKeeperの採用を進めている。
サイオスは、APN(AWS Partner Network)スタンダードコンサルティングパートナーでもあり、DataKeeperはAWSなどのクラウド環境上でも動作する。クラウド上での高可用性を実現することが可能なレプリケーションソフトとして機能やコスト、効果などが評価されDataKeeperが採用されたという。