NTTコミュニケーションズは5月29日、1月に買収を完了したVirtela Technology Servicesのネットワーク機器の機能を仮想化する技術「NFV(Network Functions Virtualization)」や運用ノウハウを活かした機能をネットワークサービス「Arcstar Universal One」のオプションとして提供する。7月から海外で、8月から日本国内で販売する。
NFVは、各種ネットワーク機器の機能をサーバなどに機能集約して提供する。今後提供するサービスでは、これまで物理的に構築していたWAN高速化装置やファイアウォールなどのネットワーク機器を仮想化できる。ポータル画面などを通じてユーザー企業自らが必要に応じてネットワークや各種機器の設定変更ができる。導入コストを削減、納期を短縮できるという。
今後提供されるクラウドサービスは、アプリケーション高速化やファイアウォール、IPSec VPNゲートウェイ、SSL VPNの4つを予定している。
クラウド型アプリケーション高速化では、アプリケーションの性能を向上させることで、グローバル規模でのIT活用やクラウド上のアプリケーション処理も迅速に対応できるという。
クラウド型ファイアウォールでは、ファイアウォールや攻撃防御、マルウェア対策、URLフィルタリングなど必要なセキュリティサービスをパッケージ化し、クラウド上で提供する。NTT Comの世界50の接続拠点の中から最寄りの拠点を経由して安全にネットに接続できるという。
クラウド型IPSec VPNゲートウェイでは、パブリッククラウドや各拠点からもネットを活用し迅速に安全な企業ネットワーク環境を構築できるとしている。クラウド型SSL VPNでは、さまざまなモバイル端末から、社内システムに安全にリモートアクセスできるという。
今回のサービスでユーザー企業が自前で構築、保有していたネットワーク機器についても、ストレージやサーバなどのクラウド化とあわせてクラウド上で利用することで、50%超の運用コスト削減、数カ月から数分への納期短縮など、柔軟で利便性の高い高信頼のネットワークを利用できるという。導入モデルと効果は図のようなイメージとなっている。
クラウド型アプリケーション高速化サービスを10拠点で利用
クラウド型ファイアウォールサービスを10拠点で利用