#6:収集業者の選定
ガーナにおける廃棄物の焼却。ここでは有害物質に対する規制や予防措置が存在していない。
提供:Marlenenapoli/Wikimedia Commons
偽の電子機器リサイクルプログラムもたくさんあるため、リサイクルの前に、#5で解説したようなウェブサイトを調べておくことは重要だ。電子機器の廃棄物サイクルは金になるビジネスなのだ。というのも、偽のプログラムを実施している企業は、再利用のためにリサイクルするのではなく、金属くずとして扱う発展途上国に輸出すれば大金を稼げるのである。しかもこういった企業は廃棄物を取り扱ったり、分解したりする人々に対する安全対策にお金をかけたり、その実施状況を監視したりはしない。
#7:地域によってまちまちな法規制
電子機器廃棄物に関する情報が入手しづらいのはなぜだろうか?まず、電子機器廃棄物を取り扱う連邦法を制定しようという数多くの試みがあったものの、合意は得られていないという点を述べておきたい。有害な電子機器廃棄物を米国から他国に輸出できないようにするResponsible Electronics Recycling Act(2013)という法案が可決されることはなかった。また、同様の法案は2014年3月に上院に提出されたが、いまだに可決されていない。
Coalition for American Electronics Recycling(CAER)という組織は、Waste Managementや、世界最大のリサイクル企業であるSims Recycling Solutions、DellやMicrosoftといった数多くの大手IT企業など100社以上で構成されており、それらの施設は34の州にまたがる218カ所に及んでいる。そして、同組織はこの法案を通過させるための働きかけを続けている。ちなみにほとんどの州には独自に制定された電子機器の廃棄に関する法律が存在しているとはいえ、電子機器廃棄物のリサイクルに関する法案についてはたった25の州でしか可決されていない。
#8:下取りプログラムを推進する企業
Appleは5月に米国で、「iPhone 4」と「iPhone 4S」を高値で引き取り、新しいiPhoneを安価に提供するという下取りプログラムを発表した。また、同社は最近になってデータセンターでのクリーンエネルギーに向けた取り組みにおいて大きな約束もし、リサイクルプログラムを促進してもいる。また、DellもDell Reconnectという同様の取り組みを実施している。Dell Reconnectは米国内にあるGoodwill Industries Internationalの数多くの拠点において、旧式コンピュータの責任あるリサイクルを促進するというプログラムであり、同社は法人における機器のリサイクルも支援している。さらにGoogleも、Sims Recycling Solutionsと提携して旧式機器のリサイクルを促進するプログラムを実施している。