われわれの携帯電話やノートPCは廃棄された後、どうなるのだろうか?本記事では、電子機器廃棄物に関して広がりつつある問題を知り、こういった廃棄物の正しいリサイクル方法について考えるための10のものごとを解説する。
ケーブル類や電子機器廃棄物に埋もれて座る中国の子ども(中国広東省貴嶼(グイユ)にて)
提供:Natalie Behring-Chisholm/Wikimedia Commons
2013年、国連は世界の電子機器廃棄物が5年後に33%増加し、4億9700万トンから6億5400万トンになると報告した。これは重量にしてエンパイアステートビルの200倍、またギザの大ピラミッドの11倍にもなるという。
現在では携帯電話の使用年数がたったの18カ月、ノートPCの使用年数もたった2年程度しかないという観点から見た場合、この急激な伸び率はさほど驚くほどではない。しかし、一般の人々の間では電子機器廃棄物に関する知識や、電子機器の正しい廃棄方法に関する知識が非常に乏しいというのは驚くに値する。以下では電子機器廃棄物のライフサイクルに関するあれこれを10項目、解説する。
#1:電子機器廃棄物とはどういったものか
電子機器廃棄物とは、バッテリや電気回路、電子回路を搭載している電気製品や電子機器の廃棄物すべての総称であり、携帯電話やテレビ、コンピュータ、プリンタのほか、ステレオシステムのようなエンターテインメント機器や冷蔵庫、洗濯機、衣類乾燥機が含まれる。
#2:電子機器廃棄物の行方
電子機器廃棄物ビジネスは世界的な規模のビジネスである。電子機器廃棄物のおよそ70〜80%は発展途上国のごみ集積場へと送られ、そこで分別された後、金属くずとして販売されたり、素材を回収するために焼却されたりしている。その結果、周辺環境やそこに住む人々に害が及んでいる。また米国では、電子機器廃棄物を刑務所に送り、規則の緩い環境下で処理している。
米国は2012年に900万トン以上の電子機器廃棄物を生み出した。これは2005年の200万トンと比べると大幅な増加だ。ちなみに、米環境保護庁(EPA)によると、2009年に1億4100万台の携帯機器が使用済み製品管理の対象となったが、その重量は電子機器廃棄物全体の1%未満にとどまっている。なお、米国が生み出した電子機器廃棄物のうちリサイクルされたものはたった25%しかない。残りの75%は米国や海外のごみ集積場へ送られていた。