日本オラクルは6月25日、分散トランザクション処理基盤となるアプリケーションサーバ「Oracle Tuxedo 12c」とIBMメインフレーム専用のアプリケーションをオープン環境に移行する「Oracle Tuxedo ART 12c」の機能強化を発表した。
税別価格は、Tuxedo 12cがプロセッサあたり652万1700円、Tuxedo ART 12cがプロセッサあたり97万8300円から。IBMメインフレームのユーザー企業向けにオープン環境へ移行する際のコンサルティングサービスも提供する。
Tuxedo 12cは、CやC++、COBOL、Javaで開発されたアプリケーション向けの分散トランザクション処理基盤。対応するOSはUNIX/Linux。「Oracle Fusion Middleware 12c」「Oracle Database 12c」「Oracle Enterprise Manager 12c」と連携し、ウェブアプリケーション専用機「Oracle Exalogic」と垂直統合型システム製品「Oracle SuperCluster」に最適化されている。
今回の機能強化では、ExalogicとTuxedo 12cを組み合わせた環境で稼働するアプリケーションの処理速度が最大4倍向上するという。ウェブアプリケーションの「Oracle WebLogic Server 12c」とクラスタリングソフトウェア「Oracle Real Application Clusters」の間の分散トランザクションの最適化でスループットが最大100%向上したほか、監視と管理の簡略化、新規サービス提供の迅速化などが図られている。
Tuxedo ART 12cでは、移行の合理化と迅速化、統合の迅速化とアプリケーション拡張の簡略化が図られており、Exalogicへの最適化がさらに進んだことで従来のx86サーバとの比較で最大7倍のパフォーマンス向上を実現するという。
新たに提供されるコンサルティングサービスは、「Architecture Insight for Modernization」と「Project Formulation Service for Modernization」の2つ。前者は、メインフレーム上の資産を棚卸して現状を分析、将来的なロードマップを策定する無償サービス。後者は次世代共通基盤への移行方針の具体化とプロジェクト計画の立案や技術的な課題と解決方針を明らかにするため、実機で検証する有償サービス。
新しいコンサルティングサービスは、IBMメインフレームのユーザー向けにオープン環境へ移行する際の提案、製品、技術支援、コンサルテーションを推進する目的で、日本オラクルがパートナー企業とともに提供する。
COBOLやC以外のプログラミング言語のアプリケーションの移行、日本メーカー製メインフレームからのオープン環境への移行は、言語変換、帳票、運用ツールなどを提供するパートナー企業と協業し、TuxedoやTuxedoを基盤としたオープン化の提案をして、製品や技術サポートを提供する。