今週の明言

セキュリティに手が回らない中堅企業を救いたい--ソフォス新社長

松岡功

2014-06-27 12:17

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、ソフォスの纐纈昌嗣 (こうけつ・まさつぐ) 代表取締役社長と、米Adobe SystemsのBrad Rencher シニアバイスプレジデントの発言を紹介する。

「UTMを普及させて中堅企業のシステム管理者の負担と脅威を軽減したい」
(ソフォス 纐纈昌嗣 代表取締役社長)


ソフォスの纐纈昌嗣 代表取締役社長

 ソフォスが先ごろ、ウイルス対策やファイアウォールなど複数のセキュリティソフトを、あらかじめ実装した統合脅威管理(UTM)アプライアンスの新製品「Sophos SGシリーズ」を発表した。纐纈氏の冒頭の発言は、その発表会見で新製品を市場投入した意図について語ったものである。

 Sophos SGシリーズは、ファイアウォール、ウイルス対策、不正侵入防止システム(IPS)、メール暗号化、情報漏えい対策(DLP)、ウェブコントロール、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)といった複数のセキュリティ機能を、1Uラックマウント型サーバに統合した製品である。

 現行の「Sophos UTMシリーズ」の後継製品で、ハードウェア性能を強化し、複数のセキュリティ機能を同時実行する際のスループット性能を大幅に向上させたとしている。新シリーズは今回、第1弾として中堅企業を対象とした中規模システム向けに提供開始し、2014年下半期に小規模と大規模システム向けの製品も追加する予定だ。

 新製品のさらに詳しい内容については関連記事 を参照いただくとして、ここでは纐纈氏のUTM普及への意気込みにフォーカスを当てたい。

 ソフォスはもともと中堅中小企業(SMB)向けのセキュリティ製品やサービスを主に展開しており、新シリーズは同社にとって中堅企業向けの戦略商品となる。とりわけUTMに力を入れるのは、SMBにおける総合的なセキュリティ対策として効果的だからだ。

 纐纈氏によると、「SMBでは、ITの利用環境がますます複雑化する中で、セキュリティ対策に手が回らない状況が続いている。複数のセキュリティ機能を持つUTMはそうした状況の打開に効果的で、“従来のポイントソリューションを個別に導入した環境ではとても運用しきれない”というシステム管理者の負担と脅威を軽減したいと考えた」という。

 また、ソフォスが従来から個々のセキュリティ製品やサービスを展開しており、それらを統合してUTM製品に仕立て上げられる点も、同社ならではの特徴といえる。

 そこで、筆者は纐纈氏に発表会見の質疑応答で、UTMがこれから企業のセキュリティ対策の主流になっていくのか、と聞いてみた。すると同氏はこう答えた。

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