「No-Design Database」時代の到来を実感--MongoDB World、盛況に

Constellation Research (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-07-04 07:00

 筆者はニューヨークで開催のMongoDB Worldの開幕日に参加する機会を得た。これはMongoDB初のユーザーカンファレンスで、非常に多くの人が足を運んでおり、来場者数は約2000人だった。

初日に最も印象的だった3つのこと:

figure_1

洪水のように押し寄せるデータ - 多くの企業がその大量のデータを分析しようとしている。数年前にビッグデータとNoSQLが大きな関心を集めたとき、市場は研究開発と試験の段階にあったが、今はもうその段階を脱した。

 現在、企業はこの分野において、実践的で価値を生み出す本物のアプリケーションを開発している。ベンダーとツールの市場は成熟し、ビッグデータアプリケーションを構築するための選択肢もこれまでにないほど増加した。MongoDBの最高経営責任者(CEO)であるMax Schireson氏が述べたように、企業の関連データの90%はこの2年間で生成されたものだ。そう聞いて驚く人はいないだろう。Clouderaの最高技術責任者(CTO)であるMike Olson氏は今後10年間のビッグデータについて、データの量が増え、その大半は機械によって生成されるとの見解を示したが、これも驚くには当たらない。また、間もなく押し寄せるビッグデータの洪水を人間が把握するに当たって、助けとなるのは機械だけだということは、直観的にわかることであり、Olsen氏やClouderaと同じ視点で未来を見ているのなら、やはり意外なことでない。

データが変化する様子(基調講演のスクリーンショット)
データが変化する様子(基調講演のスクリーンショット)

次世代のアプリはNoSQLアプリ - MongoDB Worldには、次世代アプリケーションを開発している主な企業の大半が姿を見せた。PentaHoやLogi Analyticsといったアジャイルツールベンダーだけでなく、「Bluemix」を提供するIBMや、「OpenShift」を提供するRed Hatなどの大手PaaSベンダーも出席した。さらに、Progress SoftwareやTerradataといった古参ベンダーまでもが来場していた。参加企業の顔ぶれを見ると、企業がビッグデータ中心の次世代アプリケーションを構築するために求めているものと必要としているもの、そしてMongoDBがこのトレンドの実現に不可欠なデータベースであるということに、ベンダー各社が気づいたことが分かる。

勢いを増すMongoDB(基調講演のスクリーンショット)
勢いを増すMongoDB(基調講演のスクリーンショット)

オープンソースと知的財産やサービスの組み合わせは非常に強力 - MongoDBは、オープンソースを企業向けのサービスや製品と組み合わせている好例だ。大規模なオープンソースプロジェクトが数多く予定されていることは、コミュニティー開発が単一のベンダーの開発能力を上回ったことを示す明確な証拠である。ベンダー各社は研究開発に投資する代わりに、オープンソース製品の価値を高める製品の開発に注力している。自社データベース向けのバックアップサービスを追加しているMongoDBは、企業が必要とし、購入しようと思える重要なサービス、製品を発表するベンダーの格好の例だ。この点は、ダウンロード数が700万以上、オンライン教育プログラム登録者数が15万以上、テクノロジとサービスのパートナーが500以上というMongoDBの採用状況が証明している。

figure_4

 来場者数が(控えめに)800人と想定されていたカンファレンスに、実際には2000人が参加したことも、トレンドへの関心の高さを証明しており、アプリケーションを開発している企業や、少なくともこの分野のツールを探している企業のビッグデータ利用が増加していることを示している。

 これは「No-Design Database」(設計不要のデータベース)時代という、より大きなトレンドの一部だとわれわれは考えている。これらのアプリケーションを開発する間、潜在的な洞察に関して設計依存は全くと言っていいほどない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ対策で注目の「OSINT」、自組織の防御に役立つ基礎知識と活用方法を解説

  2. セキュリティ

    攻撃者は侵入ではなく“ログイン”する、エンドポイントとアイデンティティセキュリティを連携すべき理由

  3. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

  4. セキュリティ

    こんなにあった!従来型SIEMが抱える課題──次世代SIEMに必須の“8つの要件”とは?

  5. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]