筆者はニューヨークで開催のMongoDB Worldの開幕日に参加する機会を得た。これはMongoDB初のユーザーカンファレンスで、非常に多くの人が足を運んでおり、来場者数は約2000人だった。
初日に最も印象的だった3つのこと:
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洪水のように押し寄せるデータ - 多くの企業がその大量のデータを分析しようとしている。数年前にビッグデータとNoSQLが大きな関心を集めたとき、市場は研究開発と試験の段階にあったが、今はもうその段階を脱した。
現在、企業はこの分野において、実践的で価値を生み出す本物のアプリケーションを開発している。ベンダーとツールの市場は成熟し、ビッグデータアプリケーションを構築するための選択肢もこれまでにないほど増加した。MongoDBの最高経営責任者(CEO)であるMax Schireson氏が述べたように、企業の関連データの90%はこの2年間で生成されたものだ。そう聞いて驚く人はいないだろう。Clouderaの最高技術責任者(CTO)であるMike Olson氏は今後10年間のビッグデータについて、データの量が増え、その大半は機械によって生成されるとの見解を示したが、これも驚くには当たらない。また、間もなく押し寄せるビッグデータの洪水を人間が把握するに当たって、助けとなるのは機械だけだということは、直観的にわかることであり、Olsen氏やClouderaと同じ視点で未来を見ているのなら、やはり意外なことでない。
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データが変化する様子(基調講演のスクリーンショット)
次世代のアプリはNoSQLアプリ - MongoDB Worldには、次世代アプリケーションを開発している主な企業の大半が姿を見せた。PentaHoやLogi Analyticsといったアジャイルツールベンダーだけでなく、「Bluemix」を提供するIBMや、「OpenShift」を提供するRed Hatなどの大手PaaSベンダーも出席した。さらに、Progress SoftwareやTerradataといった古参ベンダーまでもが来場していた。参加企業の顔ぶれを見ると、企業がビッグデータ中心の次世代アプリケーションを構築するために求めているものと必要としているもの、そしてMongoDBがこのトレンドの実現に不可欠なデータベースであるということに、ベンダー各社が気づいたことが分かる。
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勢いを増すMongoDB(基調講演のスクリーンショット)
オープンソースと知的財産やサービスの組み合わせは非常に強力 - MongoDBは、オープンソースを企業向けのサービスや製品と組み合わせている好例だ。大規模なオープンソースプロジェクトが数多く予定されていることは、コミュニティー開発が単一のベンダーの開発能力を上回ったことを示す明確な証拠である。ベンダー各社は研究開発に投資する代わりに、オープンソース製品の価値を高める製品の開発に注力している。自社データベース向けのバックアップサービスを追加しているMongoDBは、企業が必要とし、購入しようと思える重要なサービス、製品を発表するベンダーの格好の例だ。この点は、ダウンロード数が700万以上、オンライン教育プログラム登録者数が15万以上、テクノロジとサービスのパートナーが500以上というMongoDBの採用状況が証明している。
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来場者数が(控えめに)800人と想定されていたカンファレンスに、実際には2000人が参加したことも、トレンドへの関心の高さを証明しており、アプリケーションを開発している企業や、少なくともこの分野のツールを探している企業のビッグデータ利用が増加していることを示している。
これは「No-Design Database」(設計不要のデータベース)時代という、より大きなトレンドの一部だとわれわれは考えている。これらのアプリケーションを開発する間、潜在的な洞察に関して設計依存は全くと言っていいほどない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。