新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)は、同社のシステム研究開発センターで研究開発用にSDNを活用したネットワーク基盤を構築した。NECが7月1日に発表した。
NSSOLは近年、部門横断的な研究開発プロジェクトや社外のクラウドサービスと連携したプロジェクトなどが増えた。ネットワークの設定が複雑になり、ネットワークの構築や解体にかかる時間が増加し、プロジェクトの効率に影響を及ぼしていた。
複数のプロジェクトが稼働する中で、各プロジェクトがどのようなネットワークを利用しているのかを把握することが困難となり、機器リソースに無駄が発生したり、使用後に回収されない機器が残ってセキュリティホールになり得るリスクの増加を招いていたという。
こうした課題に対し、NECのスイッチ「UNIVERGE PF」シリーズを採用してネットワーク基盤を構築した。従来は研究開発プロジェクトごとに構築していたネットワークを、物理的に単一のネットワークとした上でプロジェクト単位に論理ネットワークを設定することで、研究開発環境を迅速に構築し、開発効率の向上、運用管理工数の削減、セキュリティの確保を実現しているという。
新たな研究開発用ネットワーク基盤は、物理的に単一のネットワークとして構成されている。プロジェクト立ち上げ時に仮想ネットワークを設定して利用し、プロジェクト終了時に仮想ネットワークの設定を解除する。
システム研究開発センターが独自にセルフサービスポータルを開発し、サーバ、ネットワークといったリソースを統合的に割り当てる。従来は5日程度かかっていた環境構築のリードタイムを1時間程度に短縮する。
仮想ネットワークをプロジェクト単位に論理的に独立させることが可能で、セキュリティを確保し、プロジェクトごとに適切なセキュリティポリシーを適用できる。部門横断のプロジェクトや社外のクラウドサービスと連携したプロジェクトのネットワークも、安全に構築、運用できると説明する。
ファイアウォールなどのネットワーク機器を共通プール化し、複数のプロジェクト間で機器リソースを共有しながら、必要に応じて柔軟に利用できる。共通プール化されたネットワーク機器のリソースをソフトウェアで制御、管理することで、従来各ネットワーク機器の割り当てに必要だった物理的なネットワーク変更が不要になり、リソースの無駄を解消するとともに、セキュリティリスクも低減させられるという。