日本のIoT市場、5年で倍増の21兆円に--IDC調査

山田竜司 (編集部)

2014-08-15 13:19

 IDC Japanは8月8日、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)の市場予測を発表した。2013年の国内IoT市場規模は11兆1240億円、また同年のIoTデバイスの普及台数は4億9500万台と算出した。2013~2018年の年平均成長率(CAGR)は13.7%、2018年にはほぼ倍増の21兆1240億円と予測した。

 IDCではIoTを「人の介在なしにローカルまたはグローバルにIP接続による通信ができ、識別可能なエッジデバイス(モノ)からなるネットワークのネットワーク(つながり)」と定義している。

 国内IoT市場の飛躍的な成長は、短中期的には企業間ビジネス(BtoB)の業種開拓やグローバルを前提とした利用拡大がけん引し、長期的には異業種間連携や個人向けビジネス(BtoC)普及がけん引するとみる。

 国内IoT市場が急速に成長している背景には、IoTサービススタックを提供する事業者サイドで「事業者の垂直と水平の連携加速」「事業者の調達コストや提供価格の低下」「技術の飛躍的な発達とその活用先の多様化」「技術標準化、法規制の進展と周辺環境の整備」などさまざまな成長促進要因が影響しているとIDCではみる。

 IoTサービスの企業ユーザーへの調査では、IoT利用企業の業種が従来より多様化しているとした。IoTの利用用途は、自社内の業務効率化などを中心とした内部用途だけでなく、自社顧客に提供するサービス付加価値向上などを中心とした外部用途で利用するケースが数多く存在することが分かったとしている。

 IDCは「将来的に国内のIoT事業者がビジネスを拡大させていくためには、各垂直市場に精通した事業者との連携、トライアル環境の積極的な提供、消費者の生活に密着したサービス開発などが重要になる。加えてグローバル標準化団体への積極的な参加や法規制の改善に向けたエコシステム一丸の政府への働きかけが必須となる」と述べている。


2013~2018年 国内IoT市場 売上規模の実績と予測

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]