「情報通信白書」最新版を読む

「情報通信白書」最新版に見るICTの現在(後編)--地球規模での共通化進む - (page 2)

田島逸郎

2014-10-23 07:30

各分野でのICTの導入のトピック

 このほか、「情報通信白書」ではさまざまな分野でのICT活用について概観している。

 まず、行政手続での個人識別番号を一本化する「マイナンバー」関連法案が正式に成立した。また、政府CIOに関する法改正案も成立し、政府のICT推進体制については大きな進展があったと言える。地方自治体についても、自治体クラウドや地域情報プラットフォームなど、新たなインフラの普及が進んでいる。


「マイナンバーの利用範囲(番号法別表第一(第9条関係))」出典:「平成26年版情報通信白書」(総務省)、原出典:内閣官房作成資料

 ICTを活用した街づくりについても活用意向は継続的に増えており、前年と変わらず安全、安心分野や医療介護分野などへの関心が高い。実際にICTスマートタウンやクラウドを活用した防災情報の流通体制などの導入や実証実験が多くの自治体で展開されており、観光や交通についてもスマートフォンやオンデマンドバスなどの取り組みがある。


「「天サイ!まなぶくん」の画面例」出典:「平成26年版情報通信白書」(総務省)、原出典:総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」(平成26年)

 このほか、医療、農業、教育分野での活用も進んでいる。医療分野では情報流通により、施設側の負担を軽減したり、カルテや母子手帳の標準化で病院を移っても情報共有が可能になるなどの取り組みがある。新技術も、、クラウド環境下で運用する持ち運び可能な心電図「モバイルクラウド心電図」やヘッドマウントディスプレイのなどが導入され始めている。通信機器などの他分野からのヘルスケア分野への参入も見られる。

 農業では、急速な高齢化に伴い大規模な活性化が必要となっている。その上で、トレーサビリティシステム(流通経路情報把握システム) やデータによる付加価値、生産性の向上などがICTにより可能になっている。先進事例では、徹底的にICTで管理された施設園芸や、植物工場が始まっている。

 教育では、初等中等教育でタブレットが導入され始めているほか、オンラインで大学教育の講座を無料で開講する「MOOCs」に東京大学など国内の大学も開講し始めており、世界中からの受講者を集めている。先進的な事例では、3Dプリンタを活用して視覚障害を持つ生徒にものの形状を教えることができる「さわれる検索」など新技術の積極的な活用が行われている。


「さわれる検索マシンと児童」出典:「平成26年版情報通信白書」(総務省)画像提供:ヤフー株式会社 原出典:総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成26年)

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