Appleが米国時間9月9日、特別イベントをカリフォルニア州クパチーノにあるディアンザカレッジのフリントセンターで開催する。ここで同社が、大型スクリーン搭載「iPhone 6」を発表し、「iWatch」あるいは同様のウェアラブルを先行披露すると噂されている。同社は新製品を擁し、Appleの革新の絶頂期は既に終わったと主張する批評家を黙らせることを狙っているに違いない。そして、これらの製品発表は同社のビジネスモデルを一変させる可能性も秘めている。
Appleが米国時間9月9日に開催するイベントを皮切りに(このイベントで4.7インチおよび5.5インチの大型スクリーン搭載iPhone 6やウェアラブル、同社テクノロジの今後の方向性に関する話が披露されるというのが大筋の見方だ)、一連の製品が発売される同社の「素晴らしい秋」が始まる。これに続けてAppleが発表すると目される製品の核となるのは、「iPad」とアナリストが「iTV」と期待するデバイスだ。
これらの製品発表は、Appleの今後数年間を方向付ける。同社が利益を得る方法が根本的に変わる可能性すらある。現在のAppleは、アプリや音楽の年間売上高が100億ドルを超えているとは言え、ハードウェア企業である。今後はソフトウェアとサービスの比重をいっそう高めていかなければならない。
Appleはカリフォルニア州クパチーノでFlint Centerの外側に巨大な白い立方体の建物を建設中だ
提供:James Martin/CNET
また、現在は売上高の半分以上をiPhoneから得ているので、ほかの分野で多様化を図る必要がある。今回の製品サイクルは、収益源の多様化に大きな役割を果たすだろう。
今後、Appleのビジネスモデルは以下のように移行する可能性がある。
デバイスのスクリーン大型化で、価値あるアプリが増えるだろうか。 iPhoneの大型化によって、より価値の高いアプリが増え、Appleのソフトウェア事業の売上高も増加するかもしれない。Appleのアプリ群がアナリティクスやエンタープライズ、企業経営の分野も網羅するようになれば、それに伴って売上高も増えるだろう。
MacquarieのアナリストであるBen Schachter氏は次のように述べている。
スクリーンの大型化や処理速度の向上、近距離無線通信(NFC)の搭載、センサの機能強化が施されたiPhone 6が登場したら、さまざまなアプリの有用性が大幅に増大すると考えるのは、理にかなっている。そして、Appleが2013年に100億ドル分のアプリを販売し、その75%以上が比較的小さなスクリーン向けのシンプルなゲームだったことを考慮すると、新しいハードウェアとセンサはそれよりはるかに優れたソフトウェアとサービスの提供を可能にし、それによって成長が促されるはずだ、とわれわれは考えている。
Appleは、エンタープライズからより大きな売り上げを得るようになる。大型スクリーン搭載iPhone 6のほかにも根拠がある。それは、AppleがIBMと提携したことだ。前述したように、iPhoneのスクリーン大型化はエンタープライズを引きつけるだろう。やがて、Appleの事業は最盛期の「BlackBerry」と同じくらい強力になるかもしれない。