アビームコンサルティングは「電力・ガスシステム改革対策特命チーム」を8月1日に設立、電力・ガスシステム改革に対応するエネルギー事業者や同市場への参入を検討している企業にエネルギー事業戦略を含むビジネスモデルデザイン、テクノロジ、ビジネスインテリジェンス(BI)の3つの領域を中心とした総合コンサルティングサービス「ABeam Energy Summit Solution(ESS)」を提供している。
9月8日に発表した。経営改革に取り組むエネルギー事業者や電気やガスなどのエネルギー市場に参画を計画する新電力事業者に提案する。費用は、提供するサービス範囲と顧客の要望で異なるが、300万円程度からを想定している。
ABeam ESSでは、電力・ガスシステム改革を新たなビジネス機会と捉えるエネルギー事業者や同市場に参入を検討している企業に総合エネルギー会社として必要な経営戦略の策定から省エネを含むエネルギー管理や業務プロセス、システムの構築、最適な運用まで包括的にコンサルティングを提供する。
これまで国内外の電力や石油、ガスなどのエネルギー業界に対し業務改革やシステム導入、可視化や最適運用化といったエネルギー管理に関するコンサルティングサービスを提供してきたコンサルタントが保有する知見と、経営改革や会計、ITなどの専門家が、業務改革や新たなビジネスモデルの構築を通じ企業価値の向上や競合企業との差別化を支援していく。
日本政府が安定供給の確保や電気料金の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大、そして成長戦略の柱の一つとして推進している電力・ガスシステムの改革に伴って、2016年には電力、2017年にはガスの小売全面自由化が見込まれ、“エネルギービッグバン時代”を迎えるとされている。
今後のエネルギー供給では、制度改革の動きを受け、従来の規制領域であった“電力対ガス”の構造が変わり、異業種からの企業の参入による価格競争、一般消費者をはじめとする需要家からのさまざまなニーズにいかに対応し顧客満足度を上げていくかなど、これまでとは異なる視点での取り組みが求められてくる。
このようなニーズに応えるため、将来を見据えた柔軟なエネルギー戦略の策定や新規ビジネスモデルの構築が求められていると説明。今回の特命チーム設立とABeam ESS提供は、こうしたニーズに応えるものとなる。初年度20件の導入を目指す。