Oracle OpenWorld 2014

日本でのデータセンター構築を視野に--日本オラクル杉原社長

怒賀新也 (編集部) 2014年10月03日 15時49分

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 米Oracleは米国時間の9月28日間から5日間にわたり、サンフランシスコで年次ユーザーカンファレンス「Oracle OpenWorld 2014」を開催した。ポイントは、製品ポートフォリオ全体のクラウドへのシフトを再三強調したことだ。日本法人である日本オラクルの社長として、初めて同カンファレンスに参加した杉原博茂氏に話を聞いた。次のように談話した。

 前職のHP(Hewlett-Packard)やVMwareのイベントに参加したことはありましたが、OpenWorldは初めてでした。Oracleにとって重要なのはもちろん、サンフランシスコに120億円の経済効果をもたらしていると聞いています。

Oracle OpenWorldに初参加した杉原博茂氏
Oracle OpenWorldに初参加した杉原博茂氏

 現地の盛り上がりはもちろん、ウェブを介した参加者は700万人に上り、全部で2700以上のセッションが開催されました。併設したJavaOneを中心に、Java関連の来場者も9000人に上り、技術者を中心とする“テッキー”がたくさんいました。ビジネス系が来るイメージを持っていたので、すごいと感じました。

 会長兼CTO(最高技術責任者)のLarry Ellisonが「私は今CTOだから、デモも自分でやらなくてはいけないのです」と言いながら込み入ったデモを長い時間をかけて自分でやりました。

 オンプレミスのシステムを“ワンタッチ”でクラウドに移行させ、それをまたオンプレミスに戻すというものでしたが、何よりも無邪気で楽しそうだったのが印象的でした。あそこまで深くテクノロジを話す経営トップというのも、Oracle独自と感じます。そのEllisonが「FY15はOracleの転換点になる」と話しました。

 今回、Ellisonも、CEO(最高経営責任者)のMark HurdもSafra Catzも「クラウドナンバーワンになる」と宣言しました。私が日本オラクルに来てすぐに「2020年までにクラウドナンバーワン企業になる」というメッセージを発しました。実は、米Oracleから降りてきたものではなく、私自身が打ち出したものです。

 本社が私の言葉の影響を受けたのかもしれません(笑)。いずれにしても、トップであるLarryには変な魅力があると感じます。ある意味“オラクル教”みたいなところもあるかもしれません。幹部社員がみな彼に向かっているのです。一面ではLarryを嫌っているような人でも、嫌いだけでは終わっていないのです。

 米国企業では一般的に、トップはハートカウントではなくヘッドカウント、つまり権威(Authority)で会社を統率しようとしますが、Larryは違います。“楽しい求心力”があるのです。日本で言うと、例えば本田宗一郎氏に通じると感じています。

Ellison氏が自ら披露したOracle Database 12cインメモリオプションの長いデモが話題になった
Ellison氏が自ら披露したOracle Database 12cインメモリオプションの長いデモが話題になった

高まった日本企業の存在感

 今回の特徴として、日本企業の存在感が高まったことも挙げられます。CIO(最高情報責任者)を表彰するCIOオブザイヤーにマツダの大澤佳史氏が選ばれました。パートナー部門ではCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)が世界全体で表彰されました。InfosysやTata Consultancy Servicesなどの大手がいる中で、日本のITサービス企業がしっかりと評価されています。KDDIも表彰されました。来年は2倍の日本企業をノミネートしようと考えています。

 (日本にデータセンターを作らないのかという質問に対して)データセンターを日本にも必ず構築します。データベースという企業の根幹となるソフトウェアを提供することを考えると、慌てない方がいいと思っています。米本社や日本のパートナーとの兼ね合いも見ながら、実施していきます。すでに特別チームを発足させています。

米本社と日本法人の距離感

 (Hurd氏が杉原氏と同様にHP出身である点の影響についての質問で)Hurdの下で働けるというのはサラリーマン冥利に尽きることです。創業者ではないのに、従業員32万人のトップにいるという意味での成功者だと思います。元々、私自身は米Oracleに在籍した上で、そこから日本法人の社長になりました。Markとはショートメッセージで連絡を取り合っていますし、Larryには京都の家に招待されたりしています。

 (クラウドをどのように売るのかの質問に対して)導入が比較的容易なSaaS形式のアプリケーションには、手を掛けずに少額でも定期的な収入を得られる“チャリンチャリン”ビジネスと言えるものがあります。

 一方で、IaaSやPaaSといったインフラ部分をクラウドで提供するとなると、顧客の基幹系システムに関わってくるようになります。他社はパートナーと一緒に広く浅くといった体制と認識していますが、われわれは相当な水準まで深掘りできる専任チームを構築しています。例えば、マツダのことは世界のOracleの人間がみな知っているのです。

AWS、SFDCとの戦い

 (SIパートナーにとってIaaSやPaaSといったシステムリソースを手軽に使って、SIサービスを提供できる点で、Amazon Web ServicesやSalesforce.comの方が協業しやすいのではないか、という質問について)短期で見るとそうかもしれませんが、今後3年、5年を見据えるとそうではありません。

 Oracleはデータベースはもちろん、ミドルウェア、アプリケーションも提供していきます。クラウド化にも対応できるという意味で、SIパートナーとしても幅広く顧客にサービスを提供できるはずです。われわれとしては、パートナーと一緒にいかに共存共栄していくかを考えていきます。(談)

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