Salesforceは米国時間10月14日、分析機能をクラウド形式で提供する「Wave」を発表する。ビジネスユーザーがデータをより直感的に楽しく活用できることを目的とし、CRMからの他のビジネス分野へのプラットフォーム拡大を狙うもの。
Waveは、同社の既存顧客である営業やマーケティング担当以外のビジネスユーザーをターゲットとする。Salesforceは分析分野に取り組むにあたってモバイルファーストにフォーカスしており、Waveはあらゆるデータソースからデータを収集できることを特徴とする。
Waveのローンチは、同社の年次イベント「Dreamforce 2014」で最高経営責任者(CEO)のMarc Benioff氏自らが発表する。戦略からみると、2年がかりで開発したWaveは、ほとんどの機能を網羅するエンタープライズ向けベンダーを目指すというSalesforceの意図を反映するものだ。
分析機能を提供することでSalesforceは顧客からさらなる収益を得られることになる。だが、真の狙いはSalesforceの潜在市場を拡大することにある。
Benioff氏は発表にあたって、Waveがデータを広く利用可能にするものだというメッセージを打ち出すことになっている。Waveは企業にあるレガシーデータを取り出し、普通のビジネスユーザーが利用できるものにするというのがセールスポイントだ。
Salesforceはまた、Waveのローンチにあたって30社との提携も発表する。この中にはAccenture、Deloitteなどのシステムインテーグレーター、それにInofrmaticaやMulesoftといったソフトウェアベンダーが含まれており、Waveに信用を加えている。Salesforceの幹部によると、Waveは任意のデータソースから構造化データと非構造化データの両方を取り出すことができるという。これには、提携関係にないOracle、SAP、Tableau、Splunkなどのアプリケーションも含まれるとのことだ。
Salesforceは5種類のクラウドを展開しており、Waveは6種類目となる。そして今後数年の間、Waveこそ最も重要なクラウドになる可能性がある。
というのも、Salesforceがエンタープライズ分野でユーザーの裾野を広げるにあたって、最善の方法は分析機能の提供だからだ。Salesforceは急速に成長したが、Oracleのような大企業になるにはCRM、営業とマーケティング、顧客サービスを超えた機能の提供が必要だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。