ダッカの交通料金システム統合プロジェクトにNECなどが参加へ

NO BUDGET

2014-10-28 07:00

 バングラデシュのダッカ市で独立行政法人 国際協力機構(JICA)が実施する技術協力プロジェクト「ダッカ市都市交通料金システム統合のためのクリアリングハウス設立プロジェクト」を、片平エンジニアリング・インターナショナル(KEI)とNECが共同で受注し、現地での作業を開始した。

 ダッカ都市圏では近年、経済活動の活発化に伴い、人口が現在の約1500万人から2025年には2000万人以上に拡大することが見込まれている。現在の都市交通は道路交通に依存していることに加え、経済成長に伴う自動車の普及拡大により、交通渋滞や環境汚染が深刻な問題となっている。これらの解決のため、高速バス輸送システム(BRT、2017年末開業予定)や、軌道系都市交通システム(MRT、2019年中に一部開業予定)など、大量輸送交通システムの整備が計画されている。

 同プロジェクトは、バングラデシュのダッカ市における複数の公共交通機関を共通のICカードで利用できる交通料金徴収システム(クリアリングハウス)を構築し、交通の円滑化を目指す。2015年10月の試験導入の開始を計画している。KEIとNECは、NECが日本国内で培ったSuicaなどのIC乗車券システム構築ノウハウや技術を応用し、ダッカ都市交通調整局(DTCA)や現地ソフトウェア開発企業と連携してクリアリングハウス構築を推進する。

 プロジェクトはバングラデシュ政府のイニシアチブとJICAの協力のもと、KEIとNECが推進。両社はダッカ市における路線バスや、今後計画されているBRT、MRTなどの公共交通機関を共通のICカードで利用できる環境を実現するため、ICカード発行やID管理精算などを実施するクリアリングハウスを構築する。

 なお、現地に技術やノウハウを移転するため、DTCA職員の育成や現地ソフトウェア開発会社を活用したシステムを構築する。クリアリングハウスの運用は当初DTCAが行う予定だが、将来的にはシステム利用料の収入に加えてICカードを電子マネーなどにも展開することで自立的、安定的に運営できる体制を目指している。

 KEIとNECの役割分担は以下の通り。

 KEI:新興国への専門家派遣実績やバングラデシュ国における過去のプロジェクト遂行経験を生かし、プロジェクトをとりまとめる。なおKEIは「発展途上国の社会・経済の発展に寄与する」ことを創業の理念とし、運輸交通分野を中心に世界各国で業務を展開している。発展途上国が共通して抱える問題である都市の交通混雑解消のための公共交通の改善計画などを提案している。近年は我が国の得意な技術であるICTを活用した公共交通の効率改善に取り組んでいる。

 NEC:Suicaをはじめ日本国内での多数のIC乗車券システムの構築ノウハウを生かし、交通料金徴収システムの設計・構築を支援する。

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