皆が使っているという理由でMicrosoft製品を採用していればよかった時代が終わりを迎えようとしている。その日が来れば、職場の生産性を維持するために代替ソリューションを探すことになるだろう。こういったソリューションの1つが「LibreOffice」スイートだ。
LibreOfficeが必要とされる機能をすべて搭載していたとしても、大きな問題が1つ残されている。その問題とは「Microsoft Office」スイートからの移行だ。エンドユーザーが変化を恐れ、忌み嫌うというのは、IT部門の人間であれば誰でも知っているはずだ。作業の途中で今まで使っていたものを捨て去り、新しいものごとを学びたいと思う人間などいない。そのような学習によって発生する効率低下はコストに跳ね返る(従業員の生産性だけではなく、会社の業績にも影響を与える)。では、そういった効率低下はどのようにして食い止められるのだろうか?本記事ではそのためのティップスを10項目に分けて解説する。これらのティップスが、迫り来る移行に向けて準備を始める動機になるかどうか、まずは読んでみてほしい。
#1:Microsoft OfficeとともにLibreOfficeをインストールする
LibreOfficeは無償で入手できるため、ダウンロードやインストールはいつでもできる。このため後回しにするのではなく、今すぐに初めの一歩を踏み出してみてはどうだろうか?(Microsoft Officeのライセンスが残っており、問題があれば元に戻れる間に)新しいツールに慣れる時間をエンドユーザーのためにたっぷり確保しておけば、移行はずっと容易になるだろう。これにより双方の生産性スイートのどこが似ており、どこが違っているのかを彼ら自身が並べて確かめられるようにもなる。これ以上の学習ツールはないだろう。
#2:ファイルはMicrosoft Office形式で保存する
移行を阻む最大の問題として、Microsoft Officeは他社のファイル形式と相性があまりよくないという点がある。OfficeはOffice内で完結する傾向にあり、他のソフトのことはあまり考えられていない。そして、職場全体がLibreOfficeに移行したとしても、Microsoft Officeを使用しているかもしれない他社の人間にドキュメントを送る必要が出てくる場合もあるはずだ。このため、Microsoft Office形式のファイルで保存するように決めておくのがよいだろう。LibreOfficeであれば.docや.docx、.rtfといったさまざまな形式でファイルが保存できる。
#3:質疑応答の時間を用意する
エンドユーザーは何らかの疑問を持つようになるはずだ。その疑問の答えをユーザー自らが見つけ出すと思ってはいけない。実際の移行に先立って質疑応答の時間を用意し、そういった疑問を解消しておいてほしい。Microsoft Officeと一緒にLibreOfficeをインストールしておき、質疑応答というサポートを提供すれば、移行に関する不安を拭い去るうえで大きな一歩を踏み出せるだろう。